「年金制度」に不安募る 47都道府県の「厚生年金」平均受給額、一番高いのはどこ?

 働いて給料をもらいながら厚生年金を受給する場合に区切りとなる「月額50万円の壁」。これまで「老齢厚生年金」と「月給(賞与を計算に含む)」の合計額が50万円を超えた場合、もらえる年金が減額されてしまうという制度がありました。

 共同通信社などによると、この50万円というしきい値を62万円まで上げ、より多くの高齢者に働く意欲を持たせようという案が社会保障審議会で議論されているとのことです。他にも、「71万円」まで上げる案や、制度そのものを撤廃する案も提出されました。

 また、会社員などが加入する厚生年金の積立金を財源として、基礎年金を底上げする案も示されたということです。今後の審議次第ではありますが、老後の年金や働き方はどうなっていくのでしょうか。

 そこで今回は、実際の厚生年金受給者はどのくらいの金額を毎月もらっているのか、都道府県ごとに見ていきたいと思います。政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されている、厚生労働省による2022年度の「厚生年金保険・国民年金事業年報」を基に、厚生年金の「平均受給月額が高い都道府県」をランキング形式で紹介します。

受給者数は、第1号厚生年金被保険者(国家公務員共済組合・地方公務員共済組合の組合員・私立学校教職員共済法による私立学校教職員共済制度の加入者である被保険者を除く厚生年金保険の受給者)を対象とし、平均年金月額には基礎年金月額を含んでいます。

(出典元:政府統計の総合窓口(e-Stat)「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和4年度」)

第2位:千葉県(15万8918円)

 第2位は「千葉県」。厚生年金の平均受給月額は15万8918円で、受給者数は71万7934人でした。全国平均の14万4982円を1万3936円上回っています。

 性別で見ると、男性は53万7754人で平均受給月額は全国平均の16万4202円を1万1510円上回る17万5712円、女性は18万180人で平均受給月額は全国平均の10万5504円を3290円上回る10万8794円となっていました。

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第1位:神奈川県(16万4088円)

 第1位は「神奈川県」。厚生年金の平均受給月額は16万4088円で全国平均を1万9106円上回り、受給者数は100万9261人でした。

 性別で見ると、男性は76万5648人で平均受給月額は全国平均を1万6779円上回る18万981円。女性は24万3613人で平均受給月額は全国平均を5490円上回る11万994円となっていました。