誰もが使えるAdobe Expressで写真を加工

続いて、かしわ台駅の会議室へ。

そこで、これまで撮ってきた写真を使って、Adobe Expressの利用体験を行う。

Adobe Expressは、誰でも簡単にコンテンツを作れるようにしてくれるアプリ。

PhotoshopやIllustratorなどのAdobe CCアプリは非常にパフォーマンスが高いが、専門化しすぎてて『誰でも簡単に』とは言いにくいし、料金も高い。

Adobe Expressは、無料で始められて、プレミアムプランでも1180円/月、2人以上で使うグループ版なら700円/月(初年度は400円/月)と、非常に安価。

にもかかわらず、生成AIを利用することで、これまで以上に簡単に、強力なクリエイティブを発揮できるようになっている。

例えば今回利用したような画像内の不要なものを消したり、テキストから画像を生成したり、文字をグラフィックで装飾したり、ロゴを作ったり、動画を編集したり……ということが、簡単にできる。

Adobe MAX取材時に聞いたところによると、PhotoshopやIllustratorなどのAdobe CCアプリは多くのプロフェッショナルユーザーに使われているが、さらに一般の方にもクリエイティブのパワーを利用して欲しいと考えているのだそうだ。

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困った時に、魔法の『生成塗りつぶし』

冒頭にも述べたように、一部の『撮り鉄』の人の行動が問題になっている。撮影の邪魔になる木を切ったり、畑などの私有地に入ったり、柵から線路の方に乗り出して撮影したり、カメラに写り込みそうになった人に暴言を吐いたり……というようなこともあるそうだ。

筆者も、鉄道趣味こそないが、趣味に没頭すると『なんとしても、これを成し遂げたい!』と思うことが生まれたりする方なので、こういう行動をしてしまう気持ちもわからなくはない。

たとえば、非常にレアな列車の撮影を狙って何時間も待った末に、通り掛かりの人のせいで写真が台無しになってしまったとすれば、そりゃ叫びたくもなるだろう。

そんな時、Adobe Expressの『生成塗りつぶし』を使って写り込んだ人を消したらどうだろうか? という提案だ。「邪魔だ、どけ!」と叫んだりする必要もないだろう。「立ち入り禁止」などの写真に入ると邪魔な看板なども消すことができる。

会場で、話をしてくれたグラフィックデザイナーで鉄道マニアでもある石川祐基さんによると、「ここぞ!」というシーンで、中の人が窓から手を出していて(危険行為の写真になるから)写真が使えないということもあるらしい。

もちろん、撮り鉄の間では「画像処理アプリで加工するのはズル」という意識も根強く、無加工で「一期一会」のシーンを切り取ることに価値があるという意見も根強いようだ。

しかし、「迷惑行為や危険行為が続くと鉄道趣味自体の評判も下がります。Adobe Expressで不要な写り込みなどを消して写真を仕上げるのも、手段のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか? という提案です」とアドビのマーケティングマネージャー岩本崇さんは語る。