神様ジーコが来夏開催の豪華チャリティイベントに込める“平和への願い”。「次世代に残していく、人助けというメッセージを残していく」

「Zico All-Star Game Hiroshima製作委員会」は11月27日、2025年8月に被爆80年を迎える広島での特別イベントのひとつとして、国際チャリティマッチの開催を発表。来年7月にエディオンピースウィング広島で行なわれることが決まった。

 この日は開催を宣言するプレイベントを実施。“サッカーの神様”である鹿島アントラーズ・クラブアドバイザーのジーコ氏が出席し、同チャリティマッチにビッグゲストが出場するとサプライズ発表された。

 その人物とは元ブラジル代表FWのロナウジーニョ氏。同チャリティマッチは、ジーコ氏と長男のジュニオール氏が代表を務め、「Jogo Das Estrelas」として、毎年1回ブラジル国内にて世界平和を願って開催されてきた。それが今回は国外初、広島での開催が決定。18歳から社会貢献に関わってきたジーコ氏が被爆80年の節目に超豪華ゲストを招待したのだ。

「ビックスターを呼んで平和のメッセージを発信していく。この20年間ロナウジーニョは来てくれていなかったので、今回は参戦してもらって、日本で、皆さんの期待を裏切らないように選手を決めて招待していきたい」

 また広島市の松井一実市長は、自身が会長を務める平和首長会議の副会長都市である英国・マンチェスター市との関係性からマンチェスター・ユナイテッドOBの招待をジーコ氏から指名されたという。

 同市長は「どういうコネを使おうかな、と思って。まず行政から攻めて、マンチェスター・ユナイテッドに言って、どうかと。平和を愛する人びとがいるところに。とにかくコネを使って、こちらに来たくなるような作戦を考えないとあかんな、と思っているところです」と、ユナイテッドOBの参戦も視野に入れていることを明かした。
 
 この日はイベントの一環で、ジーコ氏、ジュニオール氏らが揃って平和記念資料館を訪れ、施設見学や、平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑へ献花した。「資料館を訪問して、当時の痛み悲しみ、家族含めて日本全国が痛みに囲まれたと思うけど、やっぱり素晴らしい日本に作り直して、素晴らしい広島に立て直し、やっぱり日本はすごいと思った。もちろん数年前には広島を訪問したことがあるけど、選手としても違う意味合いで来ていた。今回はセレモニーとしてもっと日本人を尊敬できた。これだけ立て直せる、日本人の力が素晴らしい」と、2回目の資料館訪問で心境も新たにした。

 チャリティマッチへの思いもさらに深めた。来年は被爆80年であり、日本とブラジルの外交関係樹立130周年、チャリティマッチ20周年という節目。「次世代に残していく、人助けというメッセージを残していく。皆さんに伝えていきたい」と強い気持ちを訴えた。

 世界では今もなお、戦争で苦しむ人たちがいる。「本当はこんなつながっている世界なのに、まだ(戦争が)続いているのが信じられない。サッカーというもので、幸せ、笑顔、皆さんへの良いことを発信していきたい。サッカーで、チャリティイベントで全世界に発信していきたい。スタジアムの名が最も合っている」。ピースウイングスタジアムで開催されることにもジーコ氏の平和へのメッセージが込められていた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
協力●ZAGH制作委員会