同僚や上司だけでなく、生徒や保護者との関係性にも苦心するのが教員という職業。保護者からかけられた心無い言葉が、強烈なストレスとなるケースも珍しくない。

以前X上では、そんな保護者に対する女性教員からの強烈なカウンターが「痛快すぎる」と話題になっていたのをご存知だろうか。

■「子供を産んだこともないのに」に対し…

今回注目したいのは、教員の春山さんが投稿した1件のポスト。

以前、とある独身のベテラン女性教員が、保護者から「先生は子供を産んだこともないのに、よくそんなこと言えますね」と言われたそう。

すると、思わず相手の人間性を疑ってしまう言葉に対し、ベテラン教員は「子供産んだことない私に言われてるんだから、相当まずいってことですよ!」と、強烈なカウンターを決めたというのだ。

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■「めちゃくちゃ痛快」と称賛相次ぐ

あまりに痛快なエピソードは瞬く間に話題となり、件のポストは投稿からわずか数日で2万件ものリポストを記録。

Xユーザーからは「自分で産んでなくても、相手をした子供の数は普通の母親を遥かに凌駕してますからね」「めちゃくちゃ痛快で気持ち良いカウンター」「もし自分も言われたら、この言葉をお借りします」「素晴らしい返し。やはり言葉には無限の可能性がある」など、称賛の声が相次いでいた。

中には「過去に同じ言葉を言われたことがある」というユーザーの声も。そこで今回はポスト投稿主・春山さんに、教員が過去に受けた「保護者からの攻(口)撃」について話を聞いてみることに…。

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■教師の「休職理由」に思わず同情

件のエピソード自体はかなり昔に起きた出来事のようで、春山さんは「個人面談で起こったやり取りだと思います」と、振り返る。

「子供を産んだこともないのに…」という発言を含め、保護者からの口撃に関しては「そこまで頻繁にあることではありませんが、どの教員も一度くらいはこのようなこと、たとえば人格否定のようなことを言われた経験はあるのではないでしょうか」と、語っていた。

また、「休職してしまう方の理由の多くが、保護者関係にあるように感じます」とも説明しており、かなりの負担となるケースも珍しくないようだ。

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■学校側は「強く言い返せない」

こうした問題について、春山さんは「本質的ではない暴言とも取れる発言に対し、あまり強く言い返せない『学校側の弱さ』が良くないのだと思います」と、思いを語ってくれた。

言うまでもなく「出産」は非常にセンシティブな話題。「子供を産まない」という選択に対して様々な事情や葛藤を抱えている人は多く、決して他人が土足で踏み込んで良い領域ではないのだ。

多くの読者にとって既知の事実とは思うが、改めて胸に刻んでおきたい。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ