ボランチでも別格の存在感。右SBが本職のマリノス小池龍太が示したプロとしての矜持【ACLE】

[ACLE第5節]横浜 2-0 浦項/11月27日/横浜国際総合競技場

 やはり、この男の存在感は別格である。

 2-0で勝利した浦項スティーラーズ戦で、横浜F・マリノスは圧倒的にボールを保持しながら試合を優位に進めた。そのなかで攻守において際立つプレーを披露したのが、ボランチで先発した小池龍太だった。

 攻撃面では、正確なパスでビルドアップの中継役を担えば、絶妙なタイミングでポケットを取ってクロスを供給。得点には絡めなかったものの、何度も好機を演出した。

 一方の守備面でも、誰よりも速いトランジションで相手のカウンターを阻止すれば、的確なポジショニングで味方のサポートに入る。

 足をつって77分に交代となったが、GK飯倉大樹が「龍が誰かのサポートだったり、誰かの分まで動いてくれるからチームが良くなっている。彼ひとりじゃないけど、前と後ろ、いろんなものを繋いでいる」と称賛するとおり、小池龍がチームの潤滑油になっていた。
【画像】ヤン・マテウス&ロペスがゴール!最後は飯倉のPKストップで勝利し、GL突破へ前進!|ACLE リーグステージ第5節 横浜2-0浦項
 ただ、本人の感覚は少し異なるようだ。

「僕自身、あまり手応えはないです。ジョン(・ハッチンソン監督)が決めたメンバーの中で、自分のタスクをこなすのがすべてなので。

 怪我人が出て本職の選手たちが出られないなかで、自分がそこ(ボランチ)で出る意味を結果で示さなければいけない。それが自分の役割なので、勝てたことと、少しでもチームの力になれたのであれば、自分の経験とか、チームをひとつにする力とか、そういったものを証明できたのかなと思います」

 小池龍は以前にもボランチを務めた経験はあるが、本職は右SBである。本人も「ボランチに関してはあまりよく分かっていない。スペシャリストでもない」と話すが、これまでプロとして積み重ねてきたものもある。

「もちろん、他の選手が(ボランチを)やったほうが良いって言う人もいると思います。それでも今できるすべてを試合で出すしかない。そこでもっとこうしたほうが良かったとか、そういうことを一つひとつ自分の中で噛み砕いて、次の試合に向かって行く。それをサイドバックで長く続けてきたからこそ(2022年に)代表にも選んでもらえました。

 今回はボランチで挑戦させてもらっていて、そこでの一つひとつをサイドバックの時と同じように続けていくことで、ボランチでも生き残っていける選手になれると思う。やることは正直変わらないですし、相手の嫌がることを続けていくだけ」

 浦項戦では右SBの松原健が負傷退場しているため、その状況次第で小池龍は今後、右SBに入る可能性もあるが、“ボランチ小池龍太”のさらなる活躍にも期待だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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