演劇仲間で結成した劇団「熟年団」稽古場は熟年vs若年でバチバチ!? 「気心が知れた仲間とつくるのは刺激的」

いい妻を演じたら「もっと頭がおかしい感じで」という指示が

――それぞれ自身の役についてはどう思っていますか?

アサヌマ 村上さんはやっぱり面白くて、(やってみたら)ぜんぜん違うということが結構あります。以前も、ご一緒した作品で男性を振る女性の役をやったんですけど、いい女っぽくやったら、「もっと気持ち悪い、オタクっぽい感じで」って言われて、「あ、間違っちゃった」みたいな(笑)。別のラジオドラマでも“いい奥様”の感じでやったら、「もっとゴリラっぽく」って言われたし……。

村上 こっちが思っているより、いい女をやろうとしすぎるんだよ!(笑)

アサヌマ 今回も“いい妻”をやろうとしたら、「もっと頭がおかしい感じで」って指示があったので(笑)、いま(台本を)読み直しているんです。


出典: FANY マガジン

加藤 (自分が演じる)のぞみは家族や自分の居場所を求めている人で、発言する言葉が結構ネガティブなんですよね。ふつうにしゃべっちゃうと雰囲気が暗くなっちゃうので、“かわいそうだけど笑える”――そんな愛らしい人になればいいなと。そのあんばいが難しいんですけど。

役割的には、家族に課題を突き付ける役なので、浮いていてもいいのかなと思いながら、伊達家とは違う空気感を出していけたらと思っています。

冨岡 僕は3兄弟の末っ子なんですけど、僕にも実際に兄貴が1人いるんです。次郎(冨岡の役名)は甘やかされて、自由に生きてきたタイプなんですけど、実際の僕は「末っ子だからちゃんとしなきゃ」というマインドがあって、あまり兄貴に甘えてこなかった。(芝居中に)そっちの軸が出てきて、ちゃんとしすぎちゃうところがあるので、もっと肩の力を抜いて、ちゃんとするのをやめようと思っています。

――村上さんは、今回の演出で心掛けていることはありますか?

村上 1つの部屋にいて対話するだけで、場面が変わるわけでも、歌や踊りが入るわけでもない、丁寧に淡々と紡いでいく作品です。それを小劇場サイズのところでしっかり見せるというのは、シンプルゆえに集中力もいる。みんな上手だし、経験を積んでこられている人が多いので、“それらしいもの”をパッと作ることはできるんだけど、せっかくこういう機会を与えられているので、もうひとつ深くお芝居をして、濃密な空気を出せるようにしないといけないんだろうなと思っています。


出典: FANY マガジン

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台本を読んだら配役がぴったりだった

――続いて、熟年チームの皆さんにお話を伺います。まずは、改めて小川さんから「熟年団」の結成の経緯をお願いします。

小川 本当に(アサヌマ)理紗ちゃんとゴハンを食べながら、「楽しいお芝居やりたいよね」と話したところから生まれました。あの人とあの人とやりたいよねって、皆さんのスケジュールを確認しつつ、吉本にも協力を打診しました。

村上さん、今林くん、小林くんとは純烈の座長公演で一緒で、さらに千葉雅子さんをぜひ呼びたい! って私が熱望したんです。そうしたら、ラッキーなことに(千葉さんの)スケジュールが合って、快く参加してくださるということになりました。だから、大好きなメンバーがそろって、めちゃくちゃ嬉しいんです!


出典: FANY マガジン

――「チェリー・ホープを知ってるかい。」を選んだ理由は何ですか?

村上 熟年世代が集まってやったら面白そうな昔の作品だったり、誰かや僕が新たに書くことも考えたんですけど、メンバーがほぼ決まっていて、そこにフィットする作品をあたっていくなかで、これをすすめてくれる方がいて、読んでみたら配役がぴったり。僕を含め、台本との距離が全員同じで、取りかかるにあたってみんながフラットなのがいいなと思いました。