AI英会話アプリの『スピークバディ』が、生成AIを活用し『双方向の英会話力』をテストする機能を開発。無料期間中に体験でき、約10分でおおまかな会話能力をレベル判定してくれるようになった。これにより、勉強を始めても課題が『難しすぎる』『簡単すぎる』というミスマッチが起こりにくくなって、学習効率が向上することが期待できる。また、同社は、海外進出も発表。まずは、台湾、韓国の英会話アプリ市場に進出することが発表された。
スピークバディ
https://app.speakbuddy.me/
AI英会話アプリとして、よく出来ているスピークバディ
正直なことを言うと、筆者は英語が大変不得手である。
アップルの発表会などに呼ばれているので、「英語ができる」と誤解されることもあるが、ああいう時には実は同時通訳さんがいらっしゃるのである(公用語が英語という発表会に呼ばれて詰むこともある)。ただ、当然のことながら英語ができた方がいいので、ここ1年半ぐらいはDuolingoとスピークバディで勉強してる。1日20分ぐらいの勉強では、飛躍的に英語力が向上する……というわけにはいかないが、それでもヒアリングできることは増えているし、英語を使って話しかけたりということに対する敷居は下がっている。
というわけで、スピークバディである。これに関しては、別途詳しく記事を書いているのだが(忙しくて、仕上げられていない……)、現在、急速に能力が増大しているAIを上手に使っていて、アプリサービスとしての出来は非常によいと思っている。なにしろ、この英語学習が苦手な筆者が1年以上継続して課金(年間2万3800円)している……といえば、そのリアリティを若干感じてもらえるのではないだろうか?
最近、『AI』と銘打った英語アプリが雨後のタケノコのようにできている。そりゃ生成AIの言語能力を利用すれば英会話アプリが作れるということは誰が考えてもわかる。でも、それだけなら「ChatGPTのアドバンスドボイスモードを使えばいい」という話にしかならない。
しかし、スピークバディは、そのあたり実によくできているのだ。
まず、毎回、単語学習、リスニング、会話、英作文、AI英会話が繰り返され、そこに復習や、発音トレーニング、英作文トレーニングなどが組み合わされる。このあたりには記憶定着のための学習理論があるらしく、アプリの指示通りやっていれば、学習効果が高まる模様。
また、キャラクターと対話する方式で、ストーリー(オーストラリアに出張に行くとか、マレーシアの日本食レストランで仕事をするとか)があったり、キャラクター(ザックは遅刻しがちとか、スティーブンはパソコンに詳しいとか)があって、そうした世界に入り込むことで、自然と会話を楽しむことができる。
今回概要を解説して下さったCMOの椿遼さん。レッドブルジャパンのマーケティングや、READYFORで執行役員CMOを担当してきた。
ちなみに、これらのストーリーや背景も、人種、性別、キャラクターなどに細かな配慮がしてあり、幅広い層の人が感情移入することができるようになっている。イギリスやオーストラリア出身のキャラクターは、話し方もその地方の発音を踏襲している。イラストも、人を選ぶアメコミ調だったり、日本のアニメ風だったりしないので、ニュートラルに誰もが自然と使えるようになっている。
こうした工夫によって、スピークバディは最近増えたAI英会話アプリとは別のレベルの効果を提供している。そもそも、スピークバディは2016年9月ローンチと古株。最近のブームに乗ってAIに取り組んでいるわけではない。
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新機能『双方向の会話力のテスト』追加
そんなスピークバディに、今日(11月27日)、新たに『双方向の会話力』のテストが追加される。
『双方向の会話力のテスト』について説明して下さったApp Division Education Leadの藤原さや香さん。
こういうアプリは使い始めてみて、レベルが低すぎても、高すぎても継続する気にならない。実際にスピークバディも、コンテンツはレベルごとに分かれているが、自分がどのレベルなのか判断するのに戸惑うことがある。簡単すぎると学習効果が薄いような気がするし、難しすぎると継続できない。
それをテストで計測できるのはありがたい。
テストは最初に『パスポート』というカタチでアカウントを作り、何人かのAIキャラクターと会話する。この時、なるべく長めに、豊かな表現で会話した方が評価は高くなるのだそうだ。通常、英会話のテストというのは、あらゆるレベルの課題が出されるので長くなりがちだが、スピークバディの『双方向の会話力』テストは、受験者のレベルに合わせて出題を変化させていくので、約10分で終了するという。
この会話テストは、当初はアプリを始める時にだけ機能するが、将来的には定期的にテストを行って、学習の進捗を試すことができるようになるという。また、さらに成熟すれば、多くの人が試せる試験のような存在になっていく可能性もあるという。