今オフは大型FA補強に乗り出そうとしている阿部巨人。そのターゲットとの1人とされるのがソフトバンク甲斐拓也捕手だ。

 2017年から4年連続で日本一を支えた捕手とあって、ソフトバンクも残留交渉に動く可能性もあるが、甲斐本人の希望は「先発フル出場」という。一方、今季から就任した小久保裕紀監督の方針は「甲斐が正捕手という起用法ではなく、投手の相性などを重視した起用法になった」(ソフトバンク担当記者)とのことで、24年シーズンは119試合の出場にとどまった。
 
「今季の甲斐は打率2割5分6厘で本塁打は5。そのため『打てない捕手』という評価もありますが、本人はパ・リーグよりも球場が狭いセ・リーグであれば、21年に記録した自己最高のシーズン12本塁打を塗り替える自信を持っている」(夕刊紙記者)

 ただし今季の年俸が2億1000万円(推定)の甲斐がFA移籍する場合、ネックとなるのが人的補償がつくことだ。

「巨人はもう一人、FA補強で阪神の大山悠輔を狙っていますが、双方を獲得するとなると大山には長野久義、甲斐にはMLB移籍する菅野智之との相性が良かった小林性誠司がプロテクトから外される可能性が大きい。小林は巨人が甲斐のフル出場を呑むのであれば、なおさら外される可能性は高いでしょうね」(同)

 巨人・阿部慎之助監督が11月23日、札幌でのトークショーで甲斐について「絶対的な司令塔が欲しい」とラブコールを発信すると、「素直に嬉しい」コメントしていた甲斐。あとは起用法の折り合いだけか。

小田龍司

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