【岩本輝雄】ピッチ上で飛び交う「ソーロ!」。世界のレジェンドたちとの豪華マッチ、シルバにはユニホームを引っ張られたけどね!

 世界のレジェンドが来日して開催された『ダイヤモンドカップ』。カカ、シルバ、ピレス、ダービッツ、マテラッツィ、サビオラ、モリエンテス、サルガド…。凄いメンバーだよね(笑)。

 彼ら「ワールドレジェンズ」と、僕や松井、大久保、クボタツ、岡野、坪井らが集まった「Jクラシックス」で対戦。40分ハーフを2本、試合は4-3でワールドレジェンズが勝利した。

 キックオフ前のライトアップ、試合中は音楽を流しながら、臨場感ある実況と解説。いろいろと新しい試みがなされて、エンターテインメントとしても面白かったと思う。

 展開としても楽しめたんじゃないかな。前半にワールドがピレスとシルバのゴールで2点をリード。後半に、僕らが太田、李、大久保が決めて逆転。そこからサビオラ、トレゼゲが得点。両チーム合わせて計7発のシーソーゲーム。見応えはあったはずだよ。

 でも、よくこれだけのメンバーが来日してくれたよね。試合の開催に向けて僕もちょっと絡ませてもらって、日本の選手たちもみんな快くOKしてくれたし、会場に来てくれたファンもそうだけど、本当にみんなに感謝しかないよ。

 サッカー好きなら誰もが知っているレジェンドが日本に来て、試合ができたらいいなって、ずっと思っていた。個人的にはこれまでトッティとイベントをやらせてもらったりとかして、こういうのがもっと広がっていけばいいな、と。それが実現したわけだからね。改めて嬉しかった。

 試合に向けて、僕もコンディションを整えたよ! Jクラシックスのキャプテンをやらせてもらって、ゴールを狙ったけど、残念、点は取れなかった。
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 最後のほうにフリーキックのチャンスもあって、味方に合わせるように蹴った。直接狙ってもいい位置だったけど、ちょっと疲れていたのもあって(笑)。変に外したりするのも嫌だなと思ったから。

 そのフリーキックは、シルバのファウルで取ったもの。僕がシルバからボールを奪ったら、ユニホームを引っ張られた(笑)。でもこういうのが、なんかいいよね。エキシビジョンマッチではあるけど、けっこうお互いに“ガチ”になる時もある。勝負にこだわるというか、真剣にやり合う感じでね。

 あと、ピッチ上で「ソーロ!」がかなり飛び交っていたね。スペイン語で、いわゆる“フリーだよ”という意味。誰かが誰かにパスをすれば、周りの4~5人が「ソーロ!」って声をかける。これも発見だった。そうやって味方に前を向かせるんだって。

 何気ないポジショニングだったり、パスの質や局面の崩し方とか、実際に同じピッチに立ってみないと分からないことがある。それを体感できたのも良かった。とにかく、充実した時間だったし、何よりもこの試合の開催に協力してくれたすべての人に、ありがとうございました、という気持ちでいっぱいです!

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、52歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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