子どもの「むし歯」が少ない都道府県ランキング 新潟県「20年以上連続1位」の理由は?

 文部科学省が、2023年度「学校保健統計調査」(確定値)を発表しました。この結果によると、子どものむし歯が最も少ない都道府県は「新潟県」となっています。

 新潟県において、12歳児の「永久歯の1人当り平均むし歯(う歯)等数」は0.2本。全国平均の0.55本と比べ、とても低い結果となりました。今回の調査で、20年以上連続で12歳児のむし歯数が最少となった新潟県。ではなぜ、ここまでむし歯が少ないのでしょうか?

(出典元:学校保健統計調査-令和5年度(確定値)の結果の概要|文部科学省)

新潟県の「子どものむし歯」、少ないのはなぜ?

 新潟県の学校では、むし歯予防に積極的に取り組んでいます。なかでも推進されているのが「フッ化物洗口」です。

 「フッ化物洗口」とは、一定濃度のフッ化ナトリウムを含む溶液でうがいをすること。むし歯の原因菌は、酸を作って歯を溶かします。フッ化物は歯の表面に作用し、酸に溶けにくい歯を作ったり、溶けだしたカルシウムなどを補う作用を促進したりするため、むし歯予防に効果があるとされています。

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新潟県の「フッ化物洗口」の取り組み

 新潟県でのフッ化物洗口の歴史は、1970年にさかのぼります。子どものむし歯の多さが問題となっていた弥彦村の小学校が、フッ化物洗口をスタートしました。その後、安全面への不安から反対運動が起きたこともあったものの、1981年には県民運動として「むし歯半減10か年運動」が開始し、フッ化物洗口は県内に拡大。2020年度には、県内の小学校の88.5%でフッ化物洗口が実施されるまでになったそうです。

 新潟県が20年以上連続で1位を記録している背景には、このような取り組みがあるようです。“一生もの”である歯を健康に保つため、むし歯予防の意識を高めていきたいものですね。