かわいらしいパッケージのアニメ映画と油断して観たら、生々しい描写にトラウマを刺激された……という経験をしたことはありませんか。大人になった現在も、観返すのをためらうアニメ映画に注目しました。



2024年11月30日に劇場公開される映画『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち HDリマスター版』ポスタービジュアル (C)1978 WATERSHIP PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

【画像】え…っ?「ポスターがド下ネタでR指定」「絵柄可愛いのにハードすぎ」 こちらが衝撃だらけのアニメ映画です(6枚)

ショッキングな描写に思わず「ウグッ」

 笑えるギャグ作品、感情を動かされていつの間にか涙する感動作など、一口にアニメ映画といってもテイストは多数あります。なかには、強烈な描写によって人によってはトラウマとなったアニメ映画もあり、「大人になって大丈夫だろと思ったら今観ても全然ダメだった」などという声も聞かれます。

『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』

 イギリスの作家リチャード・アダムス氏による児童文学作品が原作のアニメ映画『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』は、国内外を問わず「トラウマ映画」として知られている作品です。

 安住の地を目指す野うさぎたちは、道中で鷹に襲われたり、人間の仕掛けた罠で大怪我をしたりと何度も困難に直面します。さらに鋭い爪を持つ獰猛なうさぎ「ウーンドウォート将軍」との熾烈な戦闘シーンでは、生々しい流血の描写もあり、「うさぎが苦手になったきっかけ」「冒頭でかわいいうさぎの日常系かと思わせて、エグい描写満載なの詐欺だろ」「死ぬまぎわの描写が下手したらR指定でもおかしくないぐらい生々しい」と、強烈なトラウマ体験となった人も多いようです。

 2024年11月30日には、今作のHDリマスター版が45年の時を経て劇場で上映されます。

『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』

 毎年春に公開される『クレヨンしんちゃん』の劇場版は、老若男女が楽しめるストーリーとホロリとさせる展開もあり、立て続けにヒットを記録しています。

 しかし、作品によってはメインターゲットである子供のトラウマになりかねないホラー描写も少なくありません。1996年に劇場公開された『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』も、「映画館で観てトラウマになった」という意見が多数あります。

 遠足で訪れた遊園地「群馬ヘンダーランド」で不思議なねじ巻き人形「トッペマ・マペット」に出会った「野原しんのすけ」は、地球征服を目論む魔女「マカオとジョマ」に立ち向かうこととなります。

 特にマカオとジョマの部下で、雪だるまの見た目をした「ス・ノーマン・パー」が野原家に上がり込んでいるシーンは、危機感を訴えるしんのすけを「ひろし」と「みさえ」が信じてくれないことも含めて子供たちに恐怖を与えました。さらにヘンダーランドを再度訪れた後、いつの間にか人形にすり替えられていたひろしとみさえが、風呂場でしんのすけに本性を表すシーンもあり、信頼すべき両親がおかしくなっているという子供にはかなりきつい描写が多く描かれています。

『カクレンボ』

 2005年に発表されたOVA作品『カクレンボ』は、2014年に第86回米国アカデミー賞で『九十九』が短編アニメーション賞にノミネートされた森田修平監督の監督デビュー作で、東洋風の摩天楼が立ち並ぶ荒廃した街を舞台に、子供たちが異形の者たちと秘密の遊び「カクレンボ」に挑む物語です。

 主人公「ヒコラ」は、過去のカクレンボで行方不明となった妹「ソリンチャ」を探すため恐ろしい鬼たちから逃げ続けます。

 鬼はいずれも目をギョロつかせ、猛スピードで子供たちに襲いかかる恐ろしい存在です。そんな鬼たちに頼れる兄貴分の「ヤイマオ」や、鬼の正体を暴こうとカクレンボに参加したガキ大将の「ノシガ」をはじめとする他の子供がなす術もなく捕まっていく絶望感、「生きたまま機械につながれ、街の動力源となっている」仲間の苦しそうな姿は、まさにトラウマといえるでしょう。