文部科学省は、2023年度(令和5年度)の「学校保健統計」調査結果(確定値)を公表しました。本記事ではその中から、12歳の子どもにおける「都道府県別 痩身傾向児の出現率」の結果を紹介します。
痩身傾向児とは「性別・年齢別・身長別標準体重から肥満度を求め、肥満度が-20%以下の者」とされています。基準値から見て「やせすぎ」の傾向にある子どもが多かったのは、どの都道府県だったのでしょうか。
(出典元:文部科学省)
大都市の多くがTOP10内に入る結果に
12歳の子どもにおける「都道府県別 痩身傾向児の出現率」を見ると、1位「千葉県」(5.24%)、2位「東京都」(4.73%)、3位「福岡県」(4.64%)と続いてます。
さらにTOP10内を見ると、「愛知県」「京都府」「埼玉県」「大阪府」など、大都市を有する府県が、比較的多く入る結果となっていました。大都市ほど痩身傾向児の出現率が高くなるという見方もできるかもしれません。
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子どもの「やせすぎ」に注意を
「やせすぎ」であると判断される子どもが、なぜ都市部ほど多い傾向にあるのかについては、貧困問題や過度なダイエットなどから栄養不足に陥ってしまうといった要素が考えられるものの、明確な因果関係が証明されているわけではありません。あらゆる要因から子どもの「やせすぎ」への対策を考える必要があるでしょう。
ちなみに、12歳における「痩身傾向児の出現率」を下位から見た場合、45位「宮崎県」(2.16%)、46位「愛媛県」(2.11%)、47位「沖縄県」(1.92%)と、比較的自然環境に恵まれたイメージの地域ほど少ない結果となりました。同時に公表された「肥満傾向児の出現率」と比較すると必ずしも「痩身傾向児が少ない=肥満児が多い」というわけではなく、やせすぎず太りすぎず、健康的な子どもが多いとも読み取れます。
いずれにしても、極端な栄養の偏りは子どもの成長にも悪影響を及ぼしてしまいます。できる限り、バランスの良い食事を心がけたいですね。