来季F1リザーブ就任が有力視されるボッタス、インディカー転向オファー受ける。しかし“フル参戦”には否定的「僕の優先はF1」

 今季限りでザウバーを離脱することが決まり、2025年はF1レギュラーシートを失うことになったバルテリ・ボッタス。彼は来季のインディカーフル参戦オファーを断っていたことを明かした。

 かつてウイリアムズ、メルセデスに所属してF1通算10勝を記録しているボッタスは、2022年からザウバー(当時アルファロメオ名義)に加入。今季はマシンの戦闘力不足もあり入賞も果たせていない。来季はレギュラーシートこそ失うことになるが、ミック・シューマッハーに代わってメルセデスのリザーブドライバーを務めると言われている。

 2026年はキャデラックがF1に参戦することを発表したため、ドライバーにとってもシートの選択肢が増えることとなるが、ボッタスとしてもF1復帰への道を繋ぎ止めたいところ。そういったことを視野に入れた結果、古巣でリザーブドライバーを務める決断をしたと思われる。

 ボッタスは来年に向けてF1以外でフルタイムのレースプログラムを探すことはしていないという。彼はカタールGPを前に次のように説明した。

「それは意識的に決断したことだ。そうする(F1以外にシートを求める)には早すぎると思う」

「例えば、F1に12年間参戦してからインディカーにフル参戦するというのも、急すぎると思うんだ。かなりのハードワークが必要になるし、色々なことに慣れる必要がある」

「だから、次のことを考える時間をとってから、先に進みたいんだ」

 インディカーへの転向オファーがあったかと尋ねられたボッタスは、実際にオファーがあったことを認めた。

「アプローチがあったし、実際話もしたけど、来年に(インディーカーを)走るというのは早すぎるというのはハッキリ言っているんだ」

「まだ2026年に良いマシンに乗れるチャンスがある。僕の優先順位は変わらずF1だ。2026年にF1に乗れないとしたら、それ(インディカー)は将来的に本当に興味深いことだと言える」

 ボッタスは2025年に他のレースカテゴリーにフル参戦する可能性を否定しているものの、単発のレースイベントへの参加は視野に入れている。実際、レース・オブ・チャンピオンズへの参加は決まっている。

「まず第一に、僕は毎戦グランプリにいるのかどうかにもかかってくる。もしそうなるなら、当然ながら選択肢は限られてくる」とボッタスは言う。

「インディ500は常にリストに挙がってくるし、V8スーパーカーとか、そういったものも好きだ。今のところ僕はかなり柔軟に考えていて……だからこそまずは次の動きを決めないといけない。話はそこからだ」

「それにここ2年間はラリーに出ることもできなかった。またそこに戻って楽しむことができればいいね」

 またボッタスは、インディ500へのスポット参戦オファーがあったのかどうかについてはこう語った。

「まだだ。2025年のフルシーズンについてはしっかりしたオファーをもらったけど、インディ500限定のオファーなど、そこまで踏み込んだものはまだだ。でもさっきも言ったように、25年に本業となる仕事をまとめてから、先に進んでいきたい」