NETGEAR:SMPTE ST2110対応のスイッチ「ProAV」シリーズやNETGEAR ENGAGEのアップデート内容を展示[Inter BEE 2024展示レポート]

放送局向けのIP伝送システム

NETGEARが提供するProAVソリューションと他社製品を交えた放送局向けのIP伝送システムを展示した。

Dante AV Ultraでの低遅延伝送

 
  


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エーディテクノが提供する「Dante AV Ultra」対応のエンコーダ・デコーダは、オーディオとビデオの低遅延・高画質伝送を実現している。4K60pの映像を1Gbpsのネットワークで1フレーム未満の超低遅延で伝送可能であり、遅延を極力抑えたい現場において非常に有効なソリューションとなる。

 
  


Dante AV Ultraエンコーダ / デコーダ DAV-01シリーズ※画像をクリックして拡大

実際の展示では、エンコーダとデコーダ間の遅延が1フレーム未満であることを実演していた。

 
  


左がデコーダ出力、右がエンコーダ入力の映像。※画像をクリックして拡大

SDIやHDMIをIP伝送で置き換えても遜色のない性能を発揮するため、放送局やライブイベントの現場での利用に適している。なじみ深いDante Controllerを使用して設定を行うことで、ネットワーク上のデバイスの映像ルーティングを簡単に構築できる点も特徴である。また、ユニキャストおよびマルチキャストの両方に対応しており、柔軟な運用が可能である。

 
  


Dante ControllerのGUI※画像をクリックして拡大

もちろん、NETGEAR ENGAGEでは「Video with Dante audio」のプロファイルがあるので、これを選択するだけで基本的な設定が完了する。

 
  


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IPMXによる非圧縮・圧縮映像のリアルタイム変換

 
  


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IPMX (Internet Protocol Media Experience) は、ProAV業界のソリューションを統一し、効率的なワークフローを目指したAV over IPのオープン規格である。標準的なIPネットワーク上で4K60pの映像、音声、制御信号の伝送を可能にし、SMPTE ST 2110規格とAMWA NMOS規格を基盤としている。

IPMXのシステム紹介コーナーでは、NETGEARのProAVスイッチとMatrox社のIP to IPコンバーターを用い、非圧縮のSMPTE ST2110信号と1Gbpsの圧縮映像信号をリアルタイムで変換するデモが行われていた。

 
  


Matrox社の「ConvertIP」を使用し、非圧縮・圧縮映像のリアルタイム変換を実現※画像をクリックして拡大

このシステムの特徴は、簡潔な機器構成にある。NETGEARのAVシリーズスイッチに各デバイスを接続するだけで運用可能であり、展示ではST2110から圧縮映像信号に変換されたカメラ信号が、デコーダで高品質に再現されていた。

広帯域が必要なST2110信号と、クラウド環境で求められる圧縮映像信号をリアルタイムでブリッジすることが可能であり、多様な現場ニーズに対応できる柔軟性を提供している。

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「DM NVX」:ビジネスシーンでのAV over IP

 
  


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Crestron社の「DM NVX」システムは、ビジネスシーンで、ビデオやオーディオに加え、USBや制御信号を統合し、一元的に操作・制御を可能にするAV over IPソリューションである。NETGEARのProAVスイッチとの連携システムが展示されていた。

 
  


NETGEARのProAVスイッチを用いた、Crestron社の「DM NVX」システムのデモ展示※画像をクリックして拡大

このシステムは、専用エンコーダとデコーダを用いてPC画面や会議室のデバイスをネットワーク上で共有でき、信号の入出力に制約がなく、ユニキャストやマルチキャストにも対応している。また、GPIやDMXユニットと組み合わせることで、照明やカーテン、スクリーンの操作を一元管理することも可能である。

さらに、XLR端子やAES67、Danteなど、多様なオーディオ規格に対応し、規模や要件に応じた柔軟なシステム設計が可能である。

 
  


さまざまな機器との組み合わせが可能※画像をクリックして拡大