F1は今週末、第23戦としてカタールGPが行なわれる。舞台はルサイル・インターナショナル・サーキットとなるが、彼らは昨年発生した問題を受けて、縁石に変更を施している。
2023年のカタールGPではピラミッド状の形状の縁石が問題となった。長い周回数を走行したタイヤで、サイドウォール部分のトッピングコンパウンドとカーカスコードの間に小さいながらも亀裂が生じていたことが確認され、その要因が、ピラミッド状の縁石による負荷だったのだ。
その結果、2日目以降は縁石を踏まないようにトラックリミットが変更され、さらに決勝に向けてはタイヤ1セットあたりの最大周回数も18周までとされ、57周のレースで3ストップが必須になるなど、大きな影響を及ぼしてしまった。
2024年のカタールGP開催に向けては、そうした問題の再発を防ぐため対策が取られた。その結果、縁石は実質的に削られることとなり、ピラミッド状だった頂点が平坦にされた。この変更によって、縁石から外れた際の衝撃が緩和されるはずだ。
タイヤを供給するピレリも開発拠点で同様の縁石を再現し、これが安定したソリューションだと確信を得ているようだ。なお今回のカタールGPには最も硬いコンパウンドの組み合わせ(C1、C2、C3)が持ち込まれているが、ピレリは昨年の問題を受けて18周までに使用が制限された要因は、コンパウンドの種類に起因するものではないと説明している。
なお問題の原因になった縁石はトラックリミット違反を抑制するという目的もあった。そのため単に縁石を変更するためだけでは目的を達成できないため、ルサイル・インターナショナル・サーキットは外側に小さめのグラベルを設置して対応している。