「SNS禁止法案」がオーストラリアで可決したから、子を持つ親に意見を聞いてみた →「そりゃ可決もされるか」と思った話

2024年11月28日、オーストラリア議会上院でSNS禁止法案が可決された。NHKによると、これは16歳未満の子どもがSNSを利用できない措置を運営会社に義務づけるもの。対象となるのはインスタグラム、TikTok、スナップチャット、X、フェイスブックなどらしい。

SNSについては日本でも色んな事件が起こっているし懸念するのは分かる。しかし、法案で禁止とは、オーストラリア政府も「世界的にみても先進的だ」としている通り、思い切った一歩だ。日本ではありえない……と思いきや、子を持つ親に意見を聞いたところ「そりゃ可決もされるか」と思った。

・子供のいない私が思うこと

確かに、SNSはちょっと掘るだけで悪い部分やアホみたいな嘘や大義名分がいくらでも出てくる。で、大人でも「裏道見つけた!」とばかりにそれにコロッと騙されていたりする。そう、騙されているのは多くは大人だ。

要するに、大人とか子供とか関係ない。単なる経験値だ。しかし、騙されているのは自分たちなのに、その大人が興味も趣味も違うゾーンにいる子供から奪う。それって逆効果にならないだろうか。

あと、そもそもSNSが若者の視界に入っているのかも疑問だ。たまに20代の子と話すと、大人ほど本気にせず「どうでも良い」みたいな温度感を感じるのである。

それはSNSに接する上で1つの正しい姿勢だ。SNSはどうでもいいものである。ハナからうまく使ってやろうと思わなければいい。ただその正しさって経験値から来てるんじゃないかなあ。

あと、SNSってもうすぐ終わると思う。で、これからは技術的に一歩進んだコミュニケーションツールが成り代わると思うんだけど、例えばVRChatが盛り上がったら今度はVRChatを奪って「先進的だ」と言うんだろうか?

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・子を持つ親に聞いてみた

と、子供のいない私は、奪われてきた側に立って受け止めてしまったわけだが、自分で「当事者の感想ではないな」とも思う。そこで当事者に聞いてみた。

話を聞いたのは、子を持つ親であるロケットニュース24の編集部員。Yoshio、和才雄一郎、P.K.サンジュン、あひるねこの4名である。ネットメディアをやっているくらいだから普通の人よりはネットリテラシーも高めと思われるこの4人に賛成or反対とその理由を聞いてみたところ……

Yoshio「親的には未成年のSNS禁止は賛成です。

理由は、

・匿名だからか知らんけど、文句や人への攻撃、差別など言いたい放題

・闇バイトなどもSNS上で横行

こんな状態のSNSに子供を参加させたくないです」

和才雄一郎「賛成。なんなら20歳未満は禁止でもいい。マジレスすると、SNSはメチャクチャ便利だし、大人になってから活用するのは全然アリだと思うけど、結局のところそこに書かれているのは他人の意見だから。ある程度自分の意見を持てるようになってから、他人の意見を聞けばいいと思う派だから、子どものSNS規制は賛成。

もちろん、いじめの原因になりかねないとか、闇バイトのようなヤバい誘惑があるといった理由もあるけど、子どもが他人の意見ばかり聞いてたら「いいね」の数とかフォロワー数で判断するような人になりそうで怖い……という理由も大きいかな」

P.K.サンジュン「気持ちはわかるけど俺は反対かな。もうインターネットは切り離せない世の中だからね。だったらある程度触って危ないことも学んだ方がいいと思う。

あと娘にはインターナショナルに生きて欲しいから、そういう意味でも「日本だけそうなる」ってなったらイヤかも。ただオーストラリアが国として子供のことを真剣に考えている姿勢は本当に素晴らしい」

あひるねこ「賛成。汚物の沼に入ろうとしている子を止めぬ親がいるだろうか」

──賛成多数で、唯一、反対票を投じたP.K.サンジュン記者も「気持ちはわかる」とのこと。さらに、賛成の人は激しく賛同していることが印象的だ。

その圧倒的な賛成レベルに「日本でもありえるかもしれない」と思わされた。子を持つ親がこれだけ激しく賛成するものなら、そりゃ可決もされるかもしれない。現在、世界を巻き込んだ議論となっているオーストラリアの法案。さて、あなたはどう思うだろうか?

参考リンク:NHK

執筆:中澤星児

Photo:Rocketnews24.