角田裕毅には、レッドブル・レーシングに昇格するだけの力が備わっていると、姉妹チームであるRBのローレン・メキーズ代表は語った。
角田は2021年にF1デビューし、今年で4年目のシーズンを迎えた。レッドブル育成のドライバーのひとりではあるが、彼はこれまで、レッドブル・レーシングの最新マシンに乗った経験はゼロ。しかしホンダの後押しもあり、今季最終戦アブダビGP直後に行なわれるテストで、ようやくレッドブル・レーシングの最新マシンをドライブすることになった。
そのレッドブルは、来季のマックス・フェルスタッペンのチームメイトを誰にするか、悩んでいるところだ。
現在のチームメイトであるセルジオ・ペレスは、極度の不振に陥っている。すでに2026年までの契約を結んでいるが、その契約条項にはパフォーマンス条項があり、契約を解除することもできると考えられている。もしそれが現実のモノとなった場合、フェルスタッペンの2025年のチームメイトは、現RBの角田かリアム・ローソンのどちらかになるだろう。
経験の面では角田の方が一歩抜け出しているが、レッドブル陣営は角田にフェルスタッペンとコンビを組むのに相応しいほどの一貫性、精神力、技術的フィードバックが備わっているのか、確信を持てなかったとされる。
しかしRBのチーム代表であるメキーズは、角田が好成績を収め続けることができれば、レッドブル首脳陣の考え方が変わる余地があるかもしれないと語る。
「今年の角田の歩みは、誰にとっても驚きだったと思う」
そうメキーズ代表は語った。
「そしてレッドブル・レーシングにとっても驚きだったことを願う」
「我々の業界では、誰もが結果に注目し、ドライバーが期待を上回るパフォーマンスを発揮し始めると、誰もがすぐに意見を変えると思う」
「ユウキにとって重要なのは、コース上で最高レベルのパフォーマンスを継続することだと思う。そして我々は皆、ドライバーのパフォーマンスを見ると、すぐに考えを変えてしまう」
角田は雨のサンパウロGPでは3番手、ラスベガスGPでは7番手と、ここ2戦続けて予選で印象的なパフォーマンスを発揮した。
メキーズ代表は、これらの結果について、RBが必ずしも好調とは言えなかったシーズンにもかかわらず、角田がやってきたチャンスを最大限に活用した証拠だと考えている。
「ユウキがここ数戦で見せたようなレベルでのパフォーマンスを見ると、彼にとっては素晴らしいシーズンだったのだと思う」
そうメキーズ代表は言う。
「今シーズン、彼は誰も予想できなかったような進歩を遂げたと思う。それは、彼が誇りに思うべきことだ」
レッドブル・レーシングは、テストで角田にどんなことを期待しているのか、そして角田はステップアップする準備ができているのかと尋ねられたメキーズ代表は、次のように語った。
「今年獲得したポイント数と同じレベルの選手、過去2レースで予選7番手と3番手に入った選手なら、もちろんもっと速いマシンに乗る準備ができていると思う」
「彼がレッドブル・レーシングと行なうテストに関しては、我々のドライバーにとって、より大きなチーム、我々の兄弟チームに入るチャンスを得る上で、非常に重要なことだと思う」
「ドライバーを成長させ、レッドブル・レーシングが欲しがるほど魅力的なドライバーに育てることは、このチームにとって重要なDNAのひとつなんだ」
「彼がテストを受けられることをとても嬉しく思っているし、良いパフォーマンスを発揮してくれると確信している」