これまで数多くの人気マンガが実写化されており、ときに過激な内容で視聴者に衝撃を与えた作品も少なくありません。それは昭和や平成だけの話ではなく、TVの規制が一段と厳しくなった令和の時代も変わらないようです。



TVドラマ『さっちゃん、僕は。』キービジュアル (C)『さっちゃん、僕は。』製作委員会

【画像】え…っ? 「服着て」「本当に令和に放送してた?」 こちらが刺激強すぎるマンガ実写化ドラマです(8枚)

深夜枠だからって何してもいいわけじゃないからね?

 コンプライアンスが年々厳しくなっていますが、意外と「過激」なマンガは続々と実写化を果たしています。映画や配信限定作品に限らず、特に規制の厳しい地上波ドラマも例外ではありません。

 2024年6月に実写化された、FANTASTICS from EXILE TRIBE、EXILE B HAPPYのメンバーである木村慧人さんの主演ドラマ『さっちゃん、僕は。』は、第1話から「慧人くんファンは大丈夫なの?」「これファンはいいの?」と話題を集めました。同作は「少年ジャンプ+」で連載されていた朝賀庵先生の同名コミックで、ざっくりと言えば、遠距離恋愛中の男子大学生「片桐京介(演:木村慧人)」が、アパートの隣に住む人妻「国木田紫乃(演:石川恋)」と不倫関係になってしまう物語です。

 不倫に溺れる男女を描いた作品だけに、原作から過激なシーンが目白押しで、実写ドラマ版でも同等、あるいはそれ以上の濡れ場が容赦なく登場します。シーツこそ掛けられているものの、激しく腰を揺らしながら甘い吐息とリップ音を響かせるふたりの姿は、令和の地上波で流してもいいのか心配になるほどで、多くの人が衝撃を受けたことは言うまでもありません。

 少し懐かしの作品では、2013年に実写化された『リミット』は、また違った意味で過激な作品でした。原作者のすえのぶけいこ先生といえば、いじめをテーマにしてドラマ化もされた大ヒットマンガ『ライフ』が有名ですが、『リミット』ではそれ以上に苛烈な人間ドラマが展開されました。

 クラスの交流キャンプに向かう途中、生徒たちを乗せたバスが山中の崖から転落し、生き残った5人の生徒が極限状態のなかでサバイバル生活をスタートさせるという衝撃の展開で、すえのぶ先生が得意とする「スクールカースト」や「いじめ」といった要素も盛り込まれています。

 また、それまで和気あいあいとしていたクラスメイトたちが、一瞬にして血まみれの死体に変わる姿がしっかりと描かれていたことも、視聴者を驚かせた要因のひとつです。そして、2話以降も極限状況に置かれた主人公たちが、精神的に追い詰められていく様子がリアルに描かれており、視聴者のなかには途中で離脱したという人も少なくありません。

 また、過去には月9枠で衝撃的なドラマが放送されたこともありました。それが、錦戸亮さん主演のドラマ『トレース~科捜研の男~』(2019年)です。

 原作は古賀慶先生の『トレース~科捜研法医研究員の追想~』で、警視庁科学捜査研究所に所属する法医研究員「真野礼二(錦戸亮)」が、現場に残された痕跡(トレース)から真実を追い求めるというサスペンスでした。第1話からバラバラ死体や過激なDVシーンなどショッキングなシーンが目白押しで、おまけに被害者女性のバックボーンがかなり陰鬱とあって、ネット上では「月曜の夜に見るもんじゃない」などと話題を集めます。

 また主人公自身も家族を皆殺しにされた陰惨な過去を抱えており、最終回ではその事件の全容が明らかとなります。しかし語られた真実は、「超絶サイコパスな事件」「エグすぎる」といった声が続出するほど、あまりにも救いようのないものでした。濡れ場やグロ描写とはまた違った過激さで、ここまで視聴者に衝撃を与えた月9ドラマは、なかなかないのではないでしょうか。