約半年前のことだ。私(佐藤)は、松屋銀座に期間限定種ていた、トルコのパン「ボヨズ」について紹介するつもりだった。しかしその時、やむにやまれぬ事情によって、詳しく紹介することができなかったのである。その事情については後述する。
そのお店「イズミル・ボヨズ」が再び松屋銀座に出店していると知って、再度買いに行ったのだった。今度こそ、ちゃんと紹介するぞ。ボヨズはパン好きにこそおすすめしたいレア商品なのである!
・やむにやまれぬ事情
前回お店を利用したのは、2024年4月のことだった。その日、私は人間ドッグを受診しており、健診の必須項目のひとつである胃のバリウム検査を受けていた。ご存知のとおり、アレを受けた後はバリウムを流すために下剤を服用しなければならない。いつ爆発が起きてもおかしくない状況で、松屋銀座を訪ねていたのである。
普段、下剤を飲むことのない私は、その効果を軽く見積もっていた。その結果、度重なる内部爆発(お腹がゴロゴロすること)にすっかりやられてしまっていた。それでも屈するわけにはいかない! 屈するということは……、わかるな?
そんな危険と隣り合わせの状況で、イズミル・ボヨズのパンを買った。満足に商品の紹介もできずに、「人間ドックで「下剤」を飲んだ日に、銀座にいたことを幸いに思った」などいう、下剤との戦いをしたためた記事を書いたのだった……。
本来であれば、翌日に改めて訪問すればよかったのだが、あいにくその日が催事出店の最終日だったために、「明日」という選択はなかった。
公式Xをフォローして次の機会を待っていたところ、11月27日~12月3日の日程で再び松屋銀座に出店すると知り、半年越しでリベンジのチャンスを得たのである。
出店しているのは、地下1階の和洋菓子売り場の一角。今回はボヨズと共に、トルコのお菓子「バクラヴァ」を扱う「ナーディル・ギュル」というお店も出店しているようだ。
今回は、ボヨズと「バターシミット」(円形のゴマパン)、それから「ポアチャ」(トルコのスコーン)を販売している。
これらの中から5種を選べる「イズミルセット」(税込2160円)を購入して持ち帰った。
そういえば、大事なことを説明するを忘れていた。「ボヨズ」とは、パン生地をミルフィーユ状に薄く重ねて焼成したものである。トルコ第三の都市「イズミル」の名物であり、2010年代に入ってようやくトルコ全土に知られるようになった、レアなパンなのである。
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・いつでもシミットを食べたい
さて、私が選んだのはシミット2つとチョコのボヨズが2つ。それにほうれん草のポアチャである。食べる時はトースターで軽くあたためると美味しくなるそうだ。油断するとすぐに焦げるので、せいぜい30秒程度で良さそうだ。
トースターから出すと、ゴマの香ばしいかおりがする。シミットは見た通りにゴマまみれで、これが香るのは当然なのだが、実はボヨズにも生ごまのペースト「タヒニ」が練り込まれている。シミットとボヨズ、それぞれがゴマの香りを放っているのだ。
実際に食べてみると、シミットは表面がザクっとしていて生地はモッチリ。バターの風味も豊かで美味しい。その昔トルコを訪ねた際に、現地でこういうパンを食べたのが忘れられなかったんだよねえ。あの頃を思い出すよ……。
続いてポアチャ。トルコのスコーンと呼ばれるように、ホロホロとした食感でたしかにスコーンぽいけど、ほうれん草が入っているから総菜パンという印象が強い。甘い具材よりも塩気の強い具材との相性が良さそうな生地だ。
そしてボヨズ。ミルフィーユ生地なので軽くてサクサクなのかと思いきや、意外と生地がしっかりしている。とくに底の方の生地は厚くてモッチリしているので、日本の菓子パン感覚で食べると、重さのある食べ応えに驚くかも。
これらの中で、私はシミットが1番気に入ったなあ。かれこれ10年以上前のことだけど、池袋にトルコベーカリーがあって、そこでシミットを買うことができたんだけど、ずっと前に閉店してしまって、シミットを買えるお店がないんだよねえ。
イズミル・ボヨズがどこかに常設出店してくれることを願ってます。そうすればいつでもシミットが買えるのに……。いずれにしても今回の催事は12月3日までなので、シミットやボヨズを食べたい人はお早めに!