昨日に引き続き、今日紹介するのも、はと座の渦巻銀河NGC 2090の画像です。昨日掲載した画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したものでしたが、今日の画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が赤外線で撮影したものです。ウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)とMIRI(中間赤外線装置)のデータが合成されています。銀河の渦状腕とともに、銀河円盤に渦巻くガスと塵が映し出されています。
ハッブル望遠鏡でセファイド変光星(ケフェウス座δ型変光星)を観測した1998年の研究では、NGC 2090までの距離は3700万光年とされていました。最新の測定ではそれよりやや遠く、4000万光年とされています。
NGC 2090は「flocculent spiral galaxy」と呼ばれるタイプの渦巻銀河で、可視光で見ると渦状腕があまりはっきりとは見えません。ただウェッブ望遠鏡のNIRCamの画像では渦状腕が鮮明に見えています。NIRCamは、星からの明るい光もとらえており、銀河の中心部で青く明るく輝いています。一方でMIRIは、ガスと塵の帯に沿ってPAH(多環芳香族炭化水素)と呼ばれる有機分子が放出する赤外線をとらえており、画像では赤く見えています。
ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2024年11月27日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。
(参考記事)星形成が活発な、はと座の渦巻銀河NGC 2090 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
(参考)「ウェッブ望遠鏡Picture of the Month」記事一覧
Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Leroy
(参照)ESA/Webb