「作画が美しいから」と観始めたら、ストーリーが重すぎてトラウマになってしまったことはありませんか? 『魔法騎士レイアース』や『カードキャプターさくら』などの大ヒット作を世に輩出し続けるCLAMP作品もそのひとつでした。



実兄にバラバラにされてしまった小鳥。画像は『CLAMP PREMIUM COLLECTION X』第2巻 著:CLAMP(KADOKAWA)

【画像】ひと目で「アウトです」 こちらが確実にオトナ向けな『X-エックス-劇場版』です(3枚)

読者に衝撃を与えたCLAMP作品

 少女マンガのように美しい見た目でも、内容は鬱鬱しく幼少期のトラウマになったことはありませんか? この記事では、「残酷描写が多すぎる」との声があがるものの、『魔法騎士レイアース』新作アニメ化が決定するなど人気を博している「CLAMP」作品をみてみましょう。

『X』

『X』は、東京を舞台に、人類の存続のための「天の龍」と自然があふれる地球のための「地の龍」の戦いが描かれます。

 6年間ぶりに東京に戻ってきた「司狼神威」は、実は「天の龍」にも「地の龍」にもなれる強大な力の持ち主でした。幼なじみの「桃生封真」とその妹「小鳥」を守るために、神威は「天の龍」を選択しました。しかし、それによって封真が「地の龍」として覚醒し、神威と敵対してしまいます。

 実は、覚醒した封真は小鳥を殺します。その描写がとても残酷で、十字架に磔(はりつけ)にされた状態の小鳥の胸に剣を突き刺し、その後、からみつくワイヤーに引き裂かれて体がバラバラになるのでした。

 その他にも、封真が「天の龍」のひとりである「皇昴流」の右目を潰して失明させたり、東京のビル群が倒壊したりと、数々の過激な描写でファンに驚きとトラウマを与えました。

『BLOOD-C』

 アニメ制作会社「Production I.G」と共に原作を手がけたオリジナルアニメ『BLOOD-C』もまた、登場キャラクターが大量死するという超絶展開を見せて視聴者にトラウマを植え付けた作品です。

 主人公である女子高生の「更衣小夜」が、人を襲う謎の存在「古きもの」を討伐するというストーリーなのですが、人びとが首をかみちぎられたり、四肢が切断されたりする「古きもの」に襲われる描写が残酷でした。

 特に話題となったのが、古きものの一種である「ウサギのような耳をした巨人」たちによる行動です。人間の上半身を食いちぎったり、首をねじり取ったり、大量の人間をミキサーで粉砕したりと、怒涛の惨殺ショーを展開しました。

 あまりにも悲惨なシーンの連続に、中国政府が「暴力を賛美する内容」と名指しで批判する事件も起こったほどです。

『グリム組曲』

 最後は「CLAMP」がキャラクターデザインを担当した作品です。2024年よりNetflixにて独占配信が開始となった『グリム組曲』は、グリム童話にダークな解釈を加えた6つの物語が展開されるオムニバス形式の作品です。

「シンデレラ」「赤ずきん」などを題材としており、各話ごとに異なる監督が担当するため、それぞれの監督の個性が光っています。

 特に「グロすぎる」と話題になったのが「赤ずきん」です。舞台となる未来の世界では、発達したAR技術により、仮想現実とリアルが区別されていました。そこで「オオカミの会」に入会した「グレイ」は、クラブへ女性を誘い出しては殺人を繰り返していました。

 グレイの殺害方法というのが、ベッドに拘束してナイフや日本刀でめった刺しにし、遺体から生暖かいままの臓器を取り出すという、目を塞ぎたくなるほど残虐なものです。

 しかし、現実の世界でも殺人を楽しもうとした時に、赤いずきんを被った少女「スカーレット」と出会い、彼の方が「獲物」へと変わっていきます。

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 冒頭で紹介した『X』は「月刊ASUKA」(角川書店)にて不定期に連載の中断・再開が繰り返され、2024年11月時点では休載中です。グロテスクな描写もあるものの、CLAMP作品には世界観に引き込まれる不思議な魅力があります。