独特のネーミングが見られる「ガンダム」シリーズのメカやキャラのなかでも、間違えやすい名前について類型化してみました。難読であるパターンや、紛らわしすぎるというパターンが見られるなか、公式の表記ゆれ(?)という事例も。



「II」は「ツヴァイ」と読みます。「HGUC 1/144 リック・ドムII」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

【画像】「ハウンド」か「バウンド」か「ドック」か「ドッグ」か…こちらも名前を間違えやすいメカ/キャラです(13枚)

ずっと勘違いしていた名前、ありません?

「ガンダム」シリーズに登場するメカやキャラクター名には、日本人にはあまりなじみのない響きも多々、含まれています。長年愛されてきた作品においても、表記は分かっているのに発音が追いつかなかったり、読み方をずっと勘違いしていた、などといったことが、誰しもひとつふたつ経験があるのではないでしょうか。

パターン1 難読…というか言語が違った

 いわゆるジオンサイドのモビルスーツ(MS)/モビルアーマー(MA)には、ドイツ語に基づいた名前や読みが見られます。

 OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場したMS「ゲルググJ」は、「J」の部分を「イェーガー」と読みます。これはドイツ語で「猟兵」といった意味です。OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の「ゲルググM(マリーネ)」もドイツ語由来で、こちらは海軍や海兵といったニュアンスになります。

 ややこしいのがローマ数字「II」で、おなじみ「ザクII」は「ツー」、上述のOVA両作品に登場したMS「リック・ドムII」はドイツ語由来の「ツヴァイ」と読み、そして映画『機動戦士ガンダムNT』のMA「IIネオジオング」は「セカンド」です。

 英語、ドイツ語まじりな言語環境だったのかと思いきや、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したMA「α・アジール」のギリシア文字「α」は、古代ギリシャ語の読み「アルパ」が当てられています。

 メタな観点はさておき、劇中でジオンサイドが大きく変化している、あるいは組織が混乱している傍証、などという見方ができるかもしれません。

パターン2 紛らわしすぎる

 名前が似すぎて混同しがちな例としては、砂漠での戦闘に対応したザクIIの局地戦型「ザク・デザートタイプ」と、その派生機でアニメ『機動戦士ガンダムZZ』に登場した「ディザート・ザク」が挙げられるでしょうか。これらとは別に、「デザート・ザク・ロンメルカスタム」(ゲーム『バトルオペレーション2』公式に基づく表記)という機体も見られます。

 似すぎるどころかモロかぶりだったのが、『ZZ』のMS「ドワッジ」と、ガンプラ企画「MS-X」の「ペズン・ドワッジ」です。後者は発表当初「ドワッジ」との呼称でした。

「MS-X」発表直後にアニメ『Z』の制作が決定し、「MS-X」は企画そのものが中止となります。その後、『ZZ』でドワッジが登場したという経緯で、なぜその名前にしたのかというところは不明です。その後、「MS-X」のほうのドワッジはゆるやかに「ペズン・ドワッジ」と変わっていきました。

パターン3 まさかの公式表記ゆれ?

『機動戦士ガンダムZZ』に登場した主要キャラクターのひとり「ビーチャ」は、2024年11月現在、公式サイトに「ビーチャ・オーレグ」と記されています。ところがTVアニメのエンドロールでは、初回から最終話まで一貫して「ビーチャ・オレーグ」との表記です。

 どの時点で「オーレグ」となったのか、今回の調査では明らかにできませんでした。ただ、アルファベットでは公式に「Oleg」と綴るため、そのあたりにカタカナ表記が変わった原因があるのかもしれません。