右SBでも強みを遺憾なく発揮。マリノスMF榊原彗悟が示した松原健、小池龍太とは別の形

[J1第37節]湘南 2-3 横浜/11月30日/レモンガススタジアム平塚

 3-2で横浜F・マリノスが湘南ベルマーレに勝利した一戦で、個人的に注目していたのが、右SBのポジションだ。

 両SBをこなす加藤蓮が負傷離脱中のなか、11月27日のアジア・チャンピオンズリーグエリート(ACLE)第5節で、レギュラーの松原健が負傷退場。その試合で右SBが本職の小池龍太もボランチで出場し、足をつって交代していただけに、コンディション面が気掛かりだった。

 湘南戦では誰が右SBを務めるのか。先発メンバーが発表された際、DFには畠中槙之輔、渡邊泰基、加藤聖に加えて、ボランチが主戦場のジャン・クルードの名前が並んでいたが、4バックの右に入ったのは、MFで先発に名を連ねていた榊原彗悟だった。
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 技術が高く、ボールを受けて前に運ぶプレーを得意とする榊原は、湘南戦でもその強みを遺憾なく発揮。攻撃時はインサイド寄りにポジションを移すだけでなく、時には左サイドまで顔を出してビルドアップに参加。まるでボランチがひとり増えたような形となり、中盤に厚みを加えた。

 直近のトレーニングで右SBにも入っていたという背番号35は、「サイドバックは少し難しさがありましたけど、やり切れたと思います」と手応えを口に。また「(右ウイングの井上)健太君はスピードもあって、どんどん1対1で仕掛けてもらったほうがチームの武器になるので、自分はいかにその場面を作れるかってところで、中に入ったりして、健太君のスペースを空けることを意識していた」と続けた。

 81分に交代した榊原は「最後に足をつりかけてしまって、自分のサイドからチャンスを作られてしまった」と反省も口にしたが、それでもクロスやミドルシュートを武器に攻撃参加する松原、巧みなポジショニングと状況判断が光る小池龍とはまた別の、榊原ならでの右SBの形を示したと言えるだろう。

 だが、やはり本来のポジションであるボランチでスタメンを掴みたいという想いは強い。

「一番はボランチで勝負したい。素晴らしい選手がたくさんいるなかで、ポジションを掴むのは難しいですけど、そこに怖がっていたらダメ。勝負をして勝つことが自分の価値を上げていくことにつながっていくと思うので、とにかく与えられたところでアピールしたい」

 在籍2年目の24歳は、さらなる飛躍を遂げられるか。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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