男子テニスの国際大会「四日市チャレンジャー2024」(11月25日~12月1日/三重県・四日市テニスセンター/ハードコート/CH75)は12月1日に大会最終日を迎え、シングルス決勝に日本のホープ、18歳の坂本怜(世界ランク682位)が登場。クリストフ・ネグリツ(ドイツ/409位)を1-6、6-3、6-4の逆転で下し、初のチャレンジャータイトルを獲得した。
チャレンジャー大会はATPツアーの1つ下のカテゴリーに当たり、世界に肉薄する選手がひしめき合う厳しい舞台だ。通常は世界ランク100位前後~300位前後の選手が中心となるが、今大会はATPツアーがオフの時期とあって70位の西岡良仁なども参戦している。
坂本はワイルドカード(主催者推薦)で出場し、2回戦で中川直樹(384位)に7-6(9)、6-3、準々決勝では内田海智(366位)に6-4、7-6(3)、準決勝では望月慎太郎(248位)に6-2、4-6、6-4と、IMGアカデミーの先輩3人に立て続けに勝利。自身初のチャレンジャー決勝に駒を進めた。
決勝での坂本は初優勝へのプレッシャーからか、立ち上がりは硬さが見えた。第4ゲームでは30-15から3本続けてストロークミスを犯しサービスダウン。第6ゲームでも簡単なミスが重なってブレークされ、わずか20分、1-6で第1セットを落としてしまう。
しかし第2セットで坂本は見事に立て直す。ストロークの精度が上がり出すとラリーの主導権を掌握し、コーナーへのウイナーやカウンター、ネットプレーにドロップショットと、多彩なプレーを織り交ぜてネグリツを振り回す。
そして第7ゲームでつかんだ3本目のブレークポイントをネットに出てモノにし、初ブレークに成功。195センチから繰り出すビッグサービスで6本のエースを奪うなどサービスの調子も上がり、自身のサービスゲームはオールキープして6-3で第2セットを奪い返した。
第3セットは坂本の攻めと相手の粘り強いディフェンスがぶつかり合い、拮抗した展開に。4-4までサービスキープが続いたが、そこで坂本がさらに攻撃のギアを上げた。30-15から回り込みのフォアで鮮やかなリターンエースを奪うと、続く2本も相手にプレッシャーをかけてミスを引き出し、値千金のブレークに成功。最後のサービスゲームも強力なサービスで押して危なげなくキープし、6-4でネグリツを押し切った。試合時間1時間42分の逆転劇だった。
坂本の過去のチャレンジャー最高成績は、先週の「横浜慶應チャレンジャー」でマークしたベスト8。それを一気に更新するタイトル獲得となった。この優勝で来週発表の坂本のランキングは400位近くまでジャンプアップが見込まれる。この9月にプロとなったばかりの坂本が、上々のスタートを切っている。
構成●スマッシュ編集部
【画像】坂本怜がプロデビューを飾ったジャパンオープンテニス2024。初日の厳選ショットフォトギャラリー
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