男子テニス世界ランク16位のフベルト・フルカチュ(ポーランド)が11月29日に自身のSNSを更新し、四大大会のシングルスで8度の優勝を誇るイワン・レンドル氏(チェコ/元1位)と、今秋引退したドミニク・ティーム(オーストリア/元3位)の元コーチであるニコラス・マスー氏(チリ/元9位)を自身のチームに招聘したと発表した。
元世界6位でこれまでにツアー8勝を挙げている27歳のフルカチュは、今年7月のウインブルドン2回戦でヒザのケガによる途中棄権を強いられた直後に、2019年から約5年にわたって師事したクレイグ・ボイントン氏との師弟関係を解消。以降は「ナショナルバンク・オープンープン」と「木下グループ ジャパン・オープン」はいずれも2回戦敗退に終わり、シーズ」と「シンシナティ・オープン」のマスターズ2大会で8強入りしたものの、「全米オン最終戦となった「パリ・マスターズ」では初戦敗退を喫すなど苦戦を強いられた。
そんな状況を脱するべく、2人の“スーパーコーチ”を新たにチームに迎え入れた。レンドル氏と言えば今夏のパリ五輪で引退した元世界王者のアンディ・マリー氏(イギリス)を3度の四大大会優勝に導いた名将。04年のアテネ五輪で単複金メダルを獲得したマスー氏も、20年全米オープン覇者のティームを指導した実績を持つ。
今回更新したSNSでフルカチュは「2025年、受けて立つ!」と綴り、テニスコートで撮影したレンドル氏とマスー氏との3ショット写真を公開。フルカチュはATP(男子プロテニス協会)の公式サイトを通じ、強力な布陣で臨む来シーズンに向けての期待感を次のように語っている。
「ニコラス・マスー氏とイワン・レンドル氏をチームの一員として迎えることができて光栄だ。彼らの知識と献身は、これまで以上に僕に努力する意欲を与えてくれるし、懸命に努力する準備はできている。2025年シーズン以降が非常に楽しみだし、気持ちも前向きだ。今年は浮き沈みの激しい年だったが、多くのことを学んで成長できた。ようやく完全に健康になったし、今後の課題に取り組む準備はできている」
またマスー氏もフルカチュに続く形で新チーム結成の喜びをこう明かした。「フビ(フルカチュの愛称)と共に新しい章を始められることに対して、非常にモチベーションも高まっているし、うれしく思う。彼は素晴らしい人であるだけでなく、真のプロフェッショナルでもある。彼のチームに加わることに興奮しているし、一緒に素晴らしいことを達成できると信じている。フロリダでレンドル氏と一緒にプレシーズンを始めるのも楽しみだ」
なお現時点でフルカチュはポーランド代表として出場する男女混合の国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」(24年12月27日~25年1月5日/オーストラリア/ハードコート)から新シーズンをスタートする予定だ。レンドル氏とマスー氏の指導がフルカチュのプレーにどのような変化をもたらすのか、注目が集まる。
文●中村光佑
【画像】新コーチのレンドル氏、マスー氏との3ショットを公開したフルカチュのSNS
【連続写真】ラケット面を下に向けてテイクバックするフルカチュの鋭いフォアハンド
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