ついに「ラーメン2000円時代」が到来したようだ。

 昨今、都心の人気ラーメン店を中心に、待ち時間なく入店できる有料の「ファストパス」を発行するケースが増えている。まるでディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのような方式だが、客の間で賛否が分かれているようだ。

 ファストパスの価格は店によって異なるが、安いところで350円から高くても500円ほど。最近はトッピングを追加すると、ラーメン1杯1000円は当たり前で、中には1500円以上する場合もあり、ファストパスを利用するといよいよ2000円突破が現実になる。

 ファストパス導入を歓迎する客の多くは、「行列に並びたくない」「確実に食べたい」という思いが強く、つまりは時間を有効に使いたいという考えだ。一方、否定的な客は口々に、「そこまでしてラーメンを食べるなら他の物を食べる」「ラーメンに2000円とかあり得ない」「そもそも行列ができないように工夫しろよ」などと、手厳しい。

「都心の人気店ではそもそも店のキャパシティが小さく、客の回転が悪くなりがちです。インバウンドなど時間の制約がある人にとっては、ファストパスはありがたいでしょうね。もっともこれが可能なのはごく一部の人気店だけ。今年はラーメン店の倒産が過去最多になっており、人気店だからといって味が飽きられてしまえば、潮を引くように客が去って行く。一気に価格がアップするファストパスの導入は、諸刃の剣になる可能性もあるでしょう」(フードライター)

 最近では都心の店を中心に、やっと「1000円の壁」を乗りこえたような印象のラーメン業界だが、地方ではまだまだ割高感は否めない。さらにファストパスの導入で1杯2000円になってしまっては、もはやラーメンも高級料理の域に達したといっていいだろう。

ケン高田

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