ルサイル・インターナショナル・サーキットで行なわれているF1第23戦カタールGP。逆転でのコンストラクターズタイトルを狙うフェラーリ勢は、予選でシャルル・ルクレールが5番手、カルロス・サインツJr.が7番手にとどまった。
チームメイトに2ポジション後れをとり悔しさを滲ませるサインツJr.は、これがフェラーリ勢としては限界だったと感じている。
「コーナーを抜ける際のバランス、5〜6速で通過する複合コーナーでの車体の荷重の関係で、本来のパフォーマンスを発揮できていないように思う」
サインツJr.はそう語る。
「ソフトタイヤをうまく機能させるためにできることは全てやった。アウトラップを速くしたり、遅くしたり、思い付く限りのことをしたけど、単純にラップタイムにおいて限界にぶち当たっているようだった。特に新しいフロアのシャルルが顕著で、僕も昨日より難しいセッションになった」
カタールは路面がスムーズで、高速の複合コーナーが多く縁石を多く使うレイアウト。そして気温も比較的低いということで、フェラーリには向いていないと予想されていた。トラクションをかけるコーナーも少ないため、タイヤを適切な作動温度領域に持っていくのも簡単ではない。
今週末のようなスプリントフォーマットでは、土曜のスプリントレースの後、4時間後に行なわれる予選までの間にセットアップを変更することができる。スプリントで4位、5位に終わったフェラーリ勢はドライバーがグリップの低さを訴えていたため、セッティングを変えて予選に臨んだが、サインツJr.曰く根本的な問題は解決しなかったという。
「間違いなく色々試したんだ」
「セットアップもタイヤの準備もだ。タイヤの準備に関しては最後のコンマ1秒を削れるかどうかだけどね。でも根本的な問題は変わらなかった」
「コンマ3、4秒足りていないと、特に中速コーナーでのボトムスピードが落ちて、旋回時のバランスが悪くなってしまう」
またサインツJr.は、フェラーリ勢の4位、5位というスプリントでの結果は考え得る最高の結果だったと語る。
「ここまでは(週末の獲得ポイントという点で)全てを最大化できていると思う。予選は7番手ではなく、6番手に入るべきだったけどね」
「Q3の最後のラップは、前にクルマがいない状態で走った。つまりトウ(スリップストリーム)を得られなかったんだ。なんで自分が先頭にいたかは分からないけど、ストレートではコンマ2、3秒はロスしただろうね。その点では少し損をしたと思う」
「それと同時に、シャルルが出した1分20秒8というタイムは、このクルマで出せるタイムの限界だったと思う。でも最大限の力を発揮するだけでは十分ではないだろうね」
スプリントを終えた段階で、フェラーリはコンストラクターズランキングをリードするマクラーレンに対して30点差をつけられてしまった。残りは2レース、フェラーリにとっては厳しい状況と言える。
「とにかく順位に関係なく、彼ら(マクラーレン)の前でフィニッシュしないといけない」とサインツJr.は言う。
「もちろん彼らが1位や2位にならないことは良いことだけど、例え彼らが3位や4位だったとしても、僕たちの前でフィニッシュされてしまっては、(最終戦の)アブダビに向けてはほぼ“ミッション・インポッシブル”という感じだ」