バルテリ・ボッタスはザウバーが最終2戦のタイミングになって戦闘力を改善していることについて、既にシート喪失が決まっているため「皮肉だ」と語った。
ボッタスはカタールGPのスプリント予選では13番手、F1スプリントでは12位でフィニッシュ。決勝に向けた予選でも13番手となった。ここまでチームはポイントを獲得できていないものの、アップデートによってマシンのパフォーマンスが改善されていることを賞賛した。
しかし、これはボッタスにとっては受け入れにくいものでもある。ザウバーは2025年のドライバーにボッタスを継続起用せず、ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのコンビとすることを既に決めているからだ。
そのため今の段階でパフォーマンスが改善されていることに、ボッタスは皮肉なことだと語った。
「シーズンの最終盤になってしまったけど、僕らはこうした改善を長いこと待っていたんだ」
ボッタスはそう語る。
「だからこれはちょっとした皮肉みたいなことだね。でもそれが現実なんだ。ただ少なくとも、今の僕らは挑戦することができるし、これを最大限活用する必要がある」
「かなり奇妙な予選だった。走る毎に違っていてね。バランスが色々なところであっちこっち行ってしまっていた。昨日はそうじゃなかったし、変更も少ししかしていなかったんだ」
「何が起きていたのかは分からないけど、それでもトップ10をまだ狙っていたし、チームとしてそれは満足すべきことだと思う」
ザウバーは2026年からアウディのワークスチームとしてF1に参戦することが決まっているが、2024年は大苦戦。今シーズンで唯一ポイントを獲得できていないチームとなっている。
そんなザウバーは、第22戦ラスベガスGPで2025年シーズンに向けた基礎となるアップデートを投入。フロアエッジやディフューザー周辺の変更、アンダーフロアのジオメトリ変更などによって、ブレーキング時の安定性が改善され、全体的なダウンフォースも増加した。
さらにカタールGPでも広範なバランス改善を狙い、ザウバーはフロントウイングに小規模な変更が実施した。
ボッタスはラスベガスGPで投入されたアップデートが、カタールでも役立っていると語る。
「(フロントウイングは)ちょっと整えたくらいのものだ」
「純粋にディフューザーのおかげだろう。ラスベガスで入ったフロアが違いを生んでいる」
「一歩前進しただけだけど、このコースでは助けになっているみたいだ。全体的にダウンフォースが増加していて、より一貫性が増した。競争環境がタイトだから、そのちょっとが助けになるんだ」
「理論的には0.3秒(の改善)だったと思う。このタイトな状況ではまともな改善度合いだ」