アルピーヌの育成プログラムに所属するアビ・プリング(ローディン・モータースポーツ)は、11月30日(土)にルサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたF1アカデミー第6戦のレース1で2位表彰台を獲得。今季のドライバーズタイトルを獲得した。
プリングは、直近のライバルであるメルセデス育成のドリアーヌ・パンがどのような結果を残そうとも、残る2ラウンドで18ポイントを集めればタイトルを獲得できるという有利な状況でルサイル戦を迎えた。
予選ではパンやフェラーリ育成のマヤ・ウィーグの後塵を拝したプリングは、3番手からレース1を迎えた。
プリングが予選トップ2を逃したのは今季初めてのことだったが、そのレースでは力強いスタートを切り、ウィーグをターン2でアウト側から交わし2番手に浮上。このポジションをキープして18ポイントを獲得した。
レース1ではパンが勝利を手にしたが、今季3レースを残してプリングがタイトルを掴んだ。
「多くの人が思っている以上に大変なシーズンでした」とプリングは振り返った。
「今年を迎えるにあたり、勝つしか選択肢はありませんでした」
「これまでは財政的に苦労してきましたし、これで来年のための賞典を手にすることができました。来年のことを話すのはまだ早いとは思いますが、とても嬉しいですし、信じられないほど誇りに思います」
「簡単なレースではありませんでした。スタートで粘り、攻めて良かったです」
また、レース序盤の攻防でウィーグに対して、タイトルを掴み取るオーバーテイクを決めた後はホッとしたかと訊かれたプリングは次のように答えた。
「ホッとはしていません。アドレナリンが出てきて『よし始まったぞ。マヤ、置いていくね』という感じでした。本当に楽しかったです」
プリングは今年際立った一貫性を発揮し、ルサイル戦までの10レースで7度優勝。驚くべきことに、プリングは今季ここまで100%の表彰台獲得率を誇り、トップ2フィニッシュの逃したのはザントフールト戦のレース2のみだ。
またプリングはトップを快走し続けたあまり、ルサイル戦でウィーグを抜いたのが、今季初のコース上でのオーバーテイクとなった。なお予選でも速さを見せつけ、7回のポールポジションを獲得している。
今季F1アカデミーのタイトルを獲得したプリングには、イギリスGB3に参戦するローディン・モータースポーツのシートが完全出資で贈られる。また、GB3参戦をサポートするために同マシンでの20日間のテストプログラムも用意されている。
「正直に言って、肩の荷が降りました」とプリングは言う。
「毎年、冬になると『次は何をしよう?』と考えます。私と父とでやってきましたが、最近はアルピーヌやローディンが私を後押ししてくれるようになりました」
「みんな私の味方で、ここまで私を助けてくれました。それが次のステップに繋がりました」
「来年は、今年と同じようにハングリーになって、レースに打ち込み、チャンスを最大限に活かすつもりです」
なおF1アカデミーのルサイル戦レース2は、共催レースで起きたクラッシュによりガードレールが損傷し、その修復が間に合わなかったため、開催中止となった。