物欲旺盛なライトニング編集部員たちが、今の気分で選んだ欲しいモノや身銭を切って購入したアイテムをジャンルレスで報告! 今回は「Apple TVで何回も『MASTER OF THE AIR』を観たけど、A-2映画は、俺にとって『RIGHT STUFF』かな。イエーガー役のサム・シェパードが好きです」と語る革ジャンの伝道師・モヒカン小川がお届け!

「BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)」のTYPE A-2

「赤」という文字に反応するのは、航空ファンの証である。なぜ航空ファンが「赤」にざわめくのか。時代を遡ること第一次世界大戦。1903年、ライト兄弟がノールカロライナ州キティホークで人類初の飛行機による初飛行を成功させてから11年後に勃発した第一次世界大戦では、すでに航空機は兵器として活用され、航空機による空中戦が行われている。マンフレート・フォン・リヒトフォーフェン。ドイツ陸軍の彼は、戦争参加各国で最高の撃墜記録を残している。その数は、80機撃墜、ほか未確認3機。彼の乗機が真っ赤に塗られていたことから「レッド・バロン(赤の男爵)」と呼ばれていた。もちろん、機動戦士ガンダムに登場する“赤い彗星”シャア・アズナブルや、ジブリ映画の『紅の豚』は、ここから着想を得ている。

第二次大戦時のヒューバート・ゼムケ大佐率いる第56戦闘航空群「ゼムケズウルフパック」では、エースパイロットのA-2の裏地をレッドシルクに張り替え、士気を高揚させていたとか。ちなみに俺が買った赤リブA-2は、実は撃墜王になんら関係ない。エアロレザー社が納入したA-2のみに見られた赤リブだが、おそらく当時、工場で余っていたリブを着けただけのモノ。多分、深い意味なんてない。でもいいではないか。「赤」が付くだけで、こんなに熱くなるんだから、得をした気分だな。


1930年代から、コントラクターの中では最多の7度もの納入を行ったエアロレザー社のモデルを復刻したモデル(BR80644)。こちらは、1941年に製造した5度目の生産ロッドに当たるモデルで、台襟のない仕様が特徴。通称“赤リブ”と呼ばれるレンガ色のニットリブはA-2ファンの間で人気だが、コントラクターで赤リブA-2を納入したのはエアロレザーだけ。時代考証やヴィンテージをベースにしっかりと再現したバズリクソンズのモノ作りを、是非ご堪能いただきたい。23万1000円


通常はボディと同色のニットリブを使うことの多いA-2だが、ボディに比べて赤みの強いリブを仕様。これがファンのツボなのだ


ラベルはBUZZ RICKSON’S ネームだが所在地が「BEACON, N.Y」とあるため、エアロレザー社がモチーフということがわかる


ボディと同色ではなく、多少赤みがかったリブが特徴のエアロレザー。7回納入実績があるが、その5度目のロットを忠実にトレースしている

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東洋エンタープライズ

https://www.buzzricksons.jp

(出典/「Lightning 2025年1月号 Vol.369」)