・言われるがまま教えてたらどうなる?
というわけで、私の調査は不本意な形で幕を閉じたわけだが、そもそも絵里奈の最終的な目的は何なのか? 言われるがままPayPayやら銀行口座の情報を教えてたら、どんな展開が予想されるのか?
そのあたりのことを、迷惑メール評論家でもあるGO羽鳥に聞いてみたので、以下で紹介しよう。
GO羽鳥「なるほど、これはよくあるパターンだね。少額の報酬を実際に支払って信用を勝ち取り、どんどん蟻地獄に引き摺り込むパターンだと思う。
まず、銀行口座を教えたらどうなるか。これには当たり前だけど2パターンあって、まずは、そのまますっぽかされる(口座番号だけ抜かれる → 悪用される恐れあり)。
もうひとつは実際に、今回のケースだと2000円が本当に振り込まれる。これで信じやすい人(騙される人)は「これは本当に仕事になるぞ」となる。
で、ここからの流れは本当に多岐にわたるのだけれど、さりげなく「もっと儲かるよ」と「仮想通貨の投資」などに案内して、これまた少しずつ儲けさせて、ウン十万のウソ投資をさせたところでトンズラというパターン。
このタイプは「ロマンス詐欺(国際ロマンス詐欺)」でよくある王道のパターン。詳しくは私の「GO羽鳥の実録迷惑メールシリーズ」を参考にしてね。
あとは、「これ以上稼ぎたいのであればVIPクラスに入ってもらうのですが、それには保証金がかかります」とかで、お金をもぎ取るパターン。
あるいは、「あ、もうこいつカモになるな」と踏んだら、うまいことPayPayの操作を遠隔的に案内して、犯人宛に大金を送金させちゃうパターンなど、いろいろあるね。
ともかく、この「少額を実際に支払う」ってのは、「信用を勝ち取るため」で、ある意味では「操れる人間かどうかを見極めている」とも言える。
もうひとつ気になるのは、このパターンを使うのは、日本語が怪しい外国人が主だった。でも今回のやりとりを見ると、どうも相手は日本人っぽい。
外国人のやり口を反社の日本人とかが参考にして、さらに騙しに磨きをかけて大金をもぎ取ろうとしている……みたいな印象があるね。
いずれにしても「簡単に稼げる」なんてものはこの世には絶対にないってことを肝に銘じて、こういう誘いには絶対に乗らないこと。
下手すりゃ被害者じゃなく、加害者(犯罪者)になる可能性もあったりする(単にコマとして使われるおそれがある)からね。“ウマい話は全部ウソ” くらいの気持ちでいるべきだよ」
──とのことであった。
なお、最後に念のため言っておくが、あなたの元に同じようなメールが届いても、そっと閉じる or 削除するのが正解。間違っても、相手と関わってはいけないぞ。
私が相手の誘いに乗ったのはあくまでも調査のためで、基本的には真似厳禁。闇バイトに巻き込まれないために重要なことなので、忘れないでいただきたい。
参考リンク:警察庁「いわゆる闇バイトの危険性について」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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