スウェーデンが誇る家具店IKEA! 日本にも13店舗ありますね。スウェーデンカラーの青と黄色であんなに主張してるのに、スウェーデンのブランドであることを意外と知らない方が多いんです。わたしのスウェーデン旅7回目は、本場のIKEAからお届けします。日本の店舗との違いを比べてみても楽しいかも!?

創業81年、昔も今も変わらない“無敵の大型家具店”

IKEAの創業者はイングヴァル・カンプラード。彼はなんと5歳の少年のとき、マッチ棒を安く買って、それらを自転車でマダムたちに売ったそう。ここから商売の勉強をし、たくさんのヒントを得たに違いない。そして、1943年、17歳の若さでIKEAの前身となる雑貨店を創業。文房具や時計、クリスマスカードからスタートし、とにかく安く手に入れられた物を売ることから始まりました。その後、1948年から家具の注文販売を思いつき、1955年からオリジナルの家具デザインを始める。たくさんの努力と苦労の結果どんどん大きくなり、現在のように世界的に有名なブランドになりました。

今となれば日本でもおなじみのIKEAですが、私たちスウェーデン人にとっては日曜日の最高で最強の遊び場でした。大人たちは家で快適に過ごせるために新しいものを探しに行く。そして子どもたちはボールのプールで遊ぶ。買ったものを家で組み立てる両親は誰よりもカッコ良かったです。見ていたわたしの目はきっとキラキラしていました。

このスタイルはずっと変わってないですね。つまりスタートから無敵の大型家具店をイングヴァルは作ったってことです。

スウェーデン人としては珍しく遅くまで残業をし、子どもたちは大人になったら絶対にお父さんを支えると話し合ったエピソードは愛おしいです。イングヴァルは、「お腹が空いてたら良い商談はできない」そして「子どもたちがずっと遊びたがると良い商談ができない」と考え、IKEAにレストランと遊び場を作りました。スウェーデンでは年に数回、家庭にIKEAのカタログが配布されます。これもさすがのアイデアです。だってそれを何気なくパラパラと見ると…欲しくなります。小さい頃カタログを見てわくわくしていたわたしは、やはり今でもIKEAを訪れると心からハッピーになります。

イングヴァルは2018年に91歳で亡くなるまで、積極的にIKEAと関わっていました。わたしの家族は今もスウェーデンに住んでますが、混み合う時間を避けるためにいつもオープン前からエントランスのところで待機してるらしい。そんな様子をイングヴァルはこっそり見に来てました。従業員がちゃんと約束の時間きっちりにお店を開けるかどうかのチェック。マダムたちにマッチ棒を売っていた、あの一生懸命だった少年は最後まで心の中にいましたね。

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IKEAはどこに行ってもIKEA!

1965年にできたIKEAの本店はストックホルム郊外にあります。Kungens kurva(クンゲンス・クルヴァ)という場所で、面積は63200平方メートル。ここには、Skärholmen (シャールホルメン)駅からバスで行くか、ストックホルム中心から出るIKEAのバスに乗ると便利。建物は丸くてとても見やすい構造で、システムは日本と同じく、最後はメモったものを棚から自分でカートに入れてレジへと進む。

多くの方がこの本店がIKEAの始まりだと思っていますが、最初にオープンした店舗はスウェーデンの南のほうのÄlmhult(エルムフルト)にあります。ここは木材の町で、最寄りのエムフルト駅で降りる方はほとんどIKEAの社員です。エルムフルトにはIKEAのオフィス、デザイン事務所、IKEAホテルもあります。

わたしもお邪魔させていただいたことありますが、IKEAミュージアムが楽しい。年代に分けて、人々のライフスタイルと家具の変化、進化を展示しています。もちろんここでしか買えないグッズもあります。

今回、クンゲンス・クルヴァに行ったときにつくづく思ったのは、IKEAはどこに行ってもIKEAだってこと。確かに、ここは外に出たら日本ではないが、店内に入ればIKEA独特の空気がある。ショールームはその国の生活スペースに合わせてはいますが、木の香りだったり、温もり溢れるスタイルは同じ。スタッフが着てるHej!(スウェーデン語でこんにちは)の文字が入ったの制服も同じ。置いてるものは、スウェーデンも日本もほとんど同じです。

でも、スウェーデンのIKEAで大きく違いを感じるのは、プロフェッショナルの業者さんと一緒に見に来ている人を頻繁に見かけます。なぜなら、スウェーデン人は家の内装を3年に1回くらいガラッと変えるから。IKEAスタイルでカフェやオフィスをレイアウトしてほしいといるお客さんの希望を受け、その部署のみなさんの”空間作り”に萌える活気をすごく感じました。