エハラマサヒロが明かす吉本退所の真相「5年前くらいから考えていた」幻のグリーン車と700万円を2日で補填してくれた吉本社員の存在

 11月末に所属する吉本興業とのマネジメント契約を終了したエハラマサヒロ。12月1日から個人で活動していくエハラに最速インタビュー。吉本卒業の経緯とこれからの展望を直撃した。(前後編の前編)

自分の中の「楽しい」がどんどん仕事になってきた

––––まずは退所に至った経緯を教えてください。

エハラマサヒロ(以下、同)  僕はもともと「お笑いを極めるために、ネタをずっと作り続ける」というタイプの芸人ではないんですよ。それ以上に「自分が楽しいと思うものを、全部表現したい」という思いで、ここまでやってきたんです。

だから、お笑い芸人として立ち回りながらも、歌を唄ったり、ダンスをやったり、ヒューマンビートボックスをやったり、マジックをやったり、いろいろなことに挑戦してきたんです。

––––一般的な「お笑い」の形には、最初からあまり固執していなかった、と。

もちろん最初はお笑い界に憧れて、「おもろいことをやりたい!」という気持ちで芸人を目指しました。

ただ、芸能界でいろいろなことに触れていくうちに、やりたいことも増えてきて。歌やダンス、ミュージカル、ヒューマンビートボックス……今までは趣味として消化してきた自分の中の「楽しい」が、どんどん仕事として形になってきたんです。

一方で、もっとフットワーク軽く自分で動きたいと思ったときに、吉本という巨大な企業に所属していると、やっぱり思うようには進まないケースも多くて。吉本は6000人以上の芸人を抱える事務所ですから、社員さんもやらなくてはいけない仕事がたくさんありますよね。そのなかで、僕の優先順位を上げてもらったり、“特例”で好き放題にやらせてもらったりすることはできないんです。

––––所属している以上、守らなければならないルールがありますもんね。

はい。だから会社に迷惑をかけてしまうのであれば、僕1人でやってみようかと。

もちろん吉本という会社は、芸事に集中できるようにいろいろな面をサポートしてくれますし、お笑い芸人を目指す方にとっては、完璧な環境だと思います。ただ僕は、大人になるにつれて、もっと自分のスピード感や熱量を大切にしながら仕事と向き合いたいと思うようになったんです。

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「5年前くらいから、もう吉本の仕事はほとんど断っていました」

––––具体的に、事務所に所属していると何ができないのでしょう?

たとえば、先日ミュージカルで福岡に滞在していたんですね。そこでインスタライブをやっていたら、とあるアーティストさんが参加してくれて。「僕も来週、福岡なんですよ」って言ったんで、「俺もおるよ」「飲みましょうよ」「飲むんだったら、ギター持って、お酒飲みながらライブやろうぜ」っていう流れになったんです。インスタライブを観てくれていた人も「行きたい!」とすごく言ってくれて、これは面白そうだなと僕も思ったわけです。

でも、事務所に所属していると、まずはライブをする場所と契約を交わさなくちゃいけないですし、チケット発券を調整するまでに2週間ぐらいかかる。それにたくさんの部署の確認作業があり……開催するまで、最低でも1カ月は必要なんですよ。

でも、それではお互いの熱も冷めてしまう。個人ならすぐに場所を押さえて動き出せるわけですから、もうスピード感が全然違いますよね。

––––すでに個人事務所等も立ち上げられたのでしょうか?

実は、個人事務所はもう3〜4年前に設立しているんですよ。だから僕としては、ようやく本格的に動き出すぞ、という気持ちですね。

それに5年前くらいから、もう吉本の仕事はほとんど断っていて。仕事をするにしても、すべて自分で代理店などから取ってきて、それを会社に渡して、会社からお給料をもらう、というスタイルにしていました。

––––動きとしては、もう5年前くらいから1人でやっていたんですね。

はい。だから、周りの人間には「なんでやめないの?」ってずっと言われていたんですよ(笑)。でも、メディアや広告という側面では、やっぱり大企業が強い。たとえば今後、僕が何か大きなイベントを企画するとします。そうした場合、やはりPRのためにはメディアを使ったほうがいいですよね。その際に吉本に協力していただくためにも、まずはしっかりと会社に利益を渡しておこうと思ったんです。

だから、僕のYouTubeチャンネルに関しても、自分で広告代理店と組んで一緒にスタートさせて。吉本は特に動いていないんですが、毎月必ず3ケタ以上は売上を渡せるようにしていました。