〈わいせつ校長に求刑10年〉「卒業前に動画を消すよう頼んだのに…」泣きわめく女子生徒を撮影しわいせつ行為…保釈された“鬼畜校長”の素顔

「成績を下げられたらどうしよう」

北村被告が立場を悪用して毒牙にかけた女生徒は一人だけではない。この日はもうひとりの被害者、Bさんも続いて証言台に立った。在学中に1年生の後期から3年生の後期までの2年間、多いときは週に複数回呼び出されて北村被告にわいせつ行為を受け続けたというBさんは、その恐るべき性被害を次のように証言した。

「先生は正しく、生徒は従うものと思っていた私にとって、『2人だけの秘密』『言ってはいけない』という口止めには重みがありました。もし報告すれば、私も非難されるおそれがあると思いました。

高校進学には内申点が影響しますが、成績を下げられたらどうしようと、報復されるおそれもありました。学校中を巻き込んだ大問題になり、平穏な学校生活を送れないと思いました」

Bさんは卒業前に動画を消すよう頼んだというが、「口頭で頼むのが精一杯」で「それ以降は努めて思い出さないようにしていた」という。

「今回は幸運にも、証拠が見つかったから逮捕されました。都の窓口に相談して、親身に聞いてくれて、連絡できたから逮捕に至りました。

その後、家宅捜索で児童ポルノが見つかり、証拠が見つかったと連絡があったときは信じられない気持ちで、残していた嫌悪感が湧きました。

警察に本当に私か画像を確認してほしいと言われたとき、見るのは顔だけでいいと言われましたが、私はすべてを確認しました。被告と自分が映っている被害映像を初めて見て、とてもショッキングでした。叶うなら、時空を超えて当時の自分に会いに行き、『卑劣な犯罪行為であり、周りの大人に『助けて』と言ってほしい』と言いに行きたいです」

さらにBさんはこう続けた。

「被害に遭ったとき、服は着ていましたが、1回だけ性器が入ったことがあります。当時は性教育で妊娠について知っていたので、次の生理まで妊娠に怯えながら生活しました。なぜ怯えながら過ごさないといけないのか。やや遅れて生理がきたときは心底ほっとしました」

「被告は私を欲望のはけ口としてみなしており、心から軽蔑します。被告は自身の認知能力を問題にしていますが、私は正常だったと思いますし、言い逃れの余地は全くありません。

私が被告からの手紙を読まなかったのは、読むと情状酌量になると聞いたからです。執行猶予のつかない刑を望みます。学校という箱の中では、教師は強力な支配力を持ちます。学校は公の場なので、私物化できないよう、周囲の教師が違和感に気づいて共有できる仕組みづくりも求めます」

2人が被害を読み上げる場面で、北村被告はバツの悪そうな表情を浮かべていた。聖職者の皮をかぶった性色者。反省するフリはもう、通用しない。

検察側は12月3日、北村被告に「性欲のおもむくままに女子生徒の性的自由を奪う悪質な犯行だ」として懲役10年を求刑した。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班