交番前を通りかかる際、しばしば目にするのが指名手配のポスター。つい、隅から隅まで熟読してしまった経験はないだろうか。
なお現在X上では、東京都大田区・蒲田で発見された「とんでもない指名手配」に、驚きの声が寄せられているのだ。
■この指名手配、何かがおかしい…?
ことの発端は「すき家の人」でお馴染み、Xユーザーのマナリスさんが投稿したポスト。
「温泉に指名手配広告…」と意味深な書き出しから始まる投稿には、「この顔にピンときたらすぐにご連絡ください!!」と書かれ、40代と見られる男性の顔写真が使用されたポスターの写真が添えられている。
一体、どんな迷惑行為を行った人物なのかと身構えつつ、ポスターの説明文をよく見ると…。
そこには「大田区を中心に、複数の銭湯の周辺のゴミ拾いを誰に頼まれることもなく、自主的にやっている善人」と、書かれていたのだった。
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■「勝手に張り出して良いの?」という疑問も…
まさかの悪人でなく、善人に対する「指名手配」と判明したポスターは、X上で瞬く間に話題に。件のポストは、投稿から数日足らずで2万件以上ものリポストを記録している。
Xユーザーからは「良いやつすぎるだろ」「こんな綺麗な写真、どこから入手したんだ」「紛らわしすぎて笑った」「ガチで何者だよ」など、ツッコミが続出。中には「人の顔写真、勝手に張り出して良いのか…?」といった具合に、疑問の声を寄せるユーザーも見られた。
そこで今回は、あまりに優しすぎる指名手配犯の詳細を探るべく、ポスターに記載があった「大田区脳汁銭湯組合」に話を聞いてみることに。すると、ポスターの内容以上に衝撃的な真実が明らかになったのだ…。
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■それにしても関係者、ノリノリである
温泉に指名手配広告…
『また悪いやつ出たのか?』と思ったら
めちゃめちゃいい奴だった pic.twitter.com/VkdqSHLx54
— マナリス@すき家er (@manarisu9475) November 29, 2024
ポスト投稿主・マナリスさんに尋ねたところ、こちらのポスターは蒲田にある銭湯「改正湯」で発見したものと判明。
発見時の感想について、マナリスさんは「また怖い人出たのかな、世の中物騒だな…と思いつつよく見たら、良い人すぎて笑いました。早く見つかってほしいです」と、振り返っていた。
じつは11月26日(いい風呂の日)から12月8日にかけて、同銭湯では「脳汁銭湯」なるイベントを開催中。話題のポスターは、その一環だったのだ。
「脳汁銭湯」を運営するマルハンの担当者は、「イベント来場者には1人1枚、ランダムに『脳汁ミッションカード』をお渡ししており、そこには銭湯内のちょっとした異変探し、ひと工夫する記念撮影などのミッションが記されております」と、説明する。
件の指名手配風ポスターが大いにバズった件について、担当者は「大変ありがたいことに、想定以上の反響を呼びました」と、笑顔でコメント。
なお、写真に写った人物は「AIにより生成されたもの」とのことなので、肖像権を心配していた人は安心してほしい。
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■そもそも「脳汁銭湯」とは…?
それにしても「脳汁銭湯」とは、一度聞いたら忘れられない、とんでもない名前である。一方で「蒲田なら、まあ普通か」と、納得してしまう自分がいるのも否定できない。
イベントの詳細について、担当者は「マルハン東日本カンパニーが企画した『ヲトナ基地プロジェクト』の第2弾『イキすぎた光と狂気のNEW浴体験』が楽しめる脳汁銭湯です」「普通の『癒し』のイメージが強い銭湯を、あえて非日常的で脳を刺激する空間に生まれ変わらせました」と、あふれ出る脳汁を隠す気がない、ぶっ飛んだ説明をしてくれた。
その魅力については「入口に入った瞬間からお帰りになるまで、ずっと脳が刺激され続けるような特別なお時間をお楽しみください」と語っており、好奇心が大いに刺激されるというもの。
構想から実現まで、半年以上の準備期間があったという今回のイベント。次回のコンテンツやスケジュールは現時点では「未定」とのことだが、「また世の中の皆様にお楽しみ頂けるようなイベントを企画してまいります」と、期待が持てるコメントも得られた。
今回の「脳汁銭湯」は8日(日)までの開催なので、興味がある人はぜひ足を運んでみてほしい。
※6日(金)は定休日
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)