モチベーションアップの必要のない人生へ

 【理屈を超えたモチベーションの正体・4】「真エネルギー」という視点から、このテーマでお話を続けてまいりました。今回が最終回です。最後に「真エネルギーとは何か?」について書かせていただきます。

●エネルギーを奪うもの



 真エネルギー、つまり内側から永続的に湧き続けるエネルギーとは何か。それは、真エネルギーを取り戻すための方法にヒントがあります。前回の振り返りになりますが、真エネルギーを高めるための方法とは「『合言葉』→『本来の自分の感覚』→『100%決める』」ということでした。

<前回記事>

エネルギー開発の3ステップ、“私そのもの”で生きること

https://www.bcnretail.com/market/detail/20241101_465298.html

 最後の「100%決める」というのは、「一つの選択肢を選んだら、その他の選択肢を全てしっかり手放す」ことでした。実は、こここそが肝なのです。

 心の中で二つの選択肢を持つということは、Aという選択肢とBという選択肢の二つが引っ張り合いをする、ということになります。引っ張り合いとは、綱引きと同じです。力が分散したり相殺されたりします。これを一般的な言葉で「葛藤」といいます。

 葛藤は、日常生活の中でさまざま生じます。それは当然のことですが、しかしこの葛藤によって多くのエネルギーを奪われているのです。一つ一つは小さな葛藤でも、その蓄積によるエネルギー減退は想像以上に大きいものです。

 しかも、葛藤は癖になります。「葛藤癖」のついている人は、潜在意識の中に大小さまざまな葛藤が残ったまま生きることになります。そして年齢を重ねれば重ねるほどエネルギー減退は激しくなり、それが心や体の病として現れることも多いです。

 葛藤癖とは「しっかり決めない」ことによって起こります。「100%決めない」ことによって起こります。できるだけ若いうちに、「葛藤癖」を止めることです。「60%はAに決めているけど、40%はBがいいかも」という生き方を止めることです。そのためには一つ一つ、日常の些細なことからでも100%決めることをするのです。そして、それは可能です。

(広告の後にも続きます)

●真エネルギーとは



 私達の中に、本当は「100%決めている自分」がいます。でも多くは、潜在意識の中に閉じ込められています。閉じ込められていますが、決めているのです。日常の些細なことはもちろん、もっと大きく、自分はどのような人生を進むのか、どのような道を選択すれば良いのか、などもきちんと決めています。

 「私にはそんな自分はいません」と、もし思っているならば、それは「葛藤癖」によって心の奥に隠されているだけです。心の中に確かに存在する「決めている自分」を取り戻す。これをすれば、葛藤によるエネルギー減退はなくなります。するとそれだけで「常にエネルギーが湧き出ている自分」になります。

 私達は、もともと「生きるのに必要なエネルギー」を充分に持っています。「現実に向き合っていくエネルギー」「自ら道を拓くエネルギー」を充分に持ち合わせています。そのエネルギーを葛藤によって浪費するのではなく、本当に前に進むために活用するのです。それこそが真エネルギー。誰もがもともと持ち合わせている生命エネルギーです。

 そして、その真エネルギーという土台の上に、「反応エネルギー」を自分にプレゼントすれば良いのです。外からの影響によって反応的に高まるエネルギー。いわゆる一般的にモチベーションといわれているものですが、それは「真エネルギー」という土台の上に乗っかるからこそ本当のパワーを発揮できるのです。

 反応エネルギーも、もちろん大事。ただ、反応エネルギーのみを頼って頑張るのではなく、真エネルギーと反応エネルギーの両方を楽しみながら、人生を進めましょう。もう「モチベーションアップ」なんて、必要なくなりますから。(ITSUDATSU・黒澤伶)