ジャンル系映画祭の権威シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀長編映画賞受賞に輝いたオカルトホラー『邪悪なるもの』(2025年1月31日公開)。このたび、本作のビジュアルと本予告が解禁された。
本作は悪魔の憑依が伝染病のように拡大する世界を容赦のない残酷な物語とショッキングな映像で描いたオカルトホラー。教会が終わった神なき世界では、古くから伝わる7つのルールを破った人々の愚かな行為により“悪魔憑き”の感染が拡大していた。そんななか、ペドロとジミーの兄弟は家族を守るために奔走するのだが…。監督を務めるのはギレルモ・デル・トロによるハリウッドリメイクも決定している『テリファイド』(17)でジャンル映画界を震撼させたデミアン・ルグナ。
今回到着した本ビジュアルは、深紅の背景に浮かぶ斧を握りしめる女性の影。その下には「この世界に祈る神など存在しない」という言葉が刻まれている。まるで、神聖さが断絶された世界からの警告のように、そのフレーズが胸を締め付ける。ポスター全体には、救済を拒む圧倒的な絶望と、不吉な未来の気配が漂い、「世界が打ちのめされそして絶賛した救いなき絶望のオカルト・ホラー」というキャッチコピーが、この物語の核心に潜む暗黒を告げている。上部にはシッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀長編映画賞をはじめとする受賞歴や「ロッテントマト」96%フレッシュのスコアが記載され、映画への期待を高めている。
併せて解禁となった本予告は、ペドロとジミーの兄弟が村の外れで変死体を発見するカットから始まる。「原因は悪魔憑きだ。このままではなにかが起こる」と声を荒げるペドロ。その後に映しだされるのは、悪魔憑きから逃れるための「7つのルール」を教える女性の姿。ルールが不穏を煽る映像とともに説明されていくが、女性の勘違いにより7つ目のルールは分からずじまいになってしまう。ここからは映像のテンポが加速。悪魔に憑依され翻弄される人々、逃げ惑う影、そして狂気に染まる目、夫を殺して自らにも斧を振り下ろす女性に、母の死を冷笑する少女。「もうそこら中にいるわ」という不気味な声が響き渡る。そして、「あなたを救いに来たの」という声とともに、血塗られた手がペドロの額に触れる。
12月13日(金)にはムビチケ前売券(オンライン)の発売も決定した本作。観る者を絶望させる物語と衝撃的映像で更新された恐怖を、映画館で目撃してほしい。
文/スズキヒロシ