『機動戦士ガンダム』でララァ・スンが操縦したモビルアーマーは、ガンプラで「エルメス」の名前を使ってはいけない?
「MOBILE SUIT IN ACTION!! ララァ・スン専用モビルアーマー」(バンダイ) (c)創通・サンライズ
【画像】えっ、「エルメス」使えないなら何て呼ばれてる? ガンプラパッケージを見る(4枚)
エルメスの名前にまつわる「大人の事情」
『機動戦士ガンダム』に登場し、アムロとシャアの人生に大きな影響を与えたヒロイン「ララァ・スン」が操縦したのが、連邦軍から「トンガリボウシ」と称された緑色のモビルアーマー「エルメス」です。
しかし、この「エルメス」という名称は、現在ガンプラなどで商品化される際に使用されていないことをご存じでしょうか。
たとえば、現在発売されている本機のガンプラの名称を確かめてみると、「1/550 ララァ専用モビルアーマー」と表記されています。またバンダイから発売された本機をモチーフとした巨大クッションも「ニュータイプもダメになるクッション【ララァ・スン専用モビルアーマー】」と表記されており、「エルメス」の名前が確認できないのです。
ただ、「エルメス」という名前が公式から完全に抹消されたわけではありません。たとえばPCブラウザゲーム『SDガンダムオペレーションズ』では、「エルメス」の名称で本機が登場しています。あくまでも商品名称において「エルメス」が使用されていないのです。
この理由については、フランスの同名ファッションブランドの商標登録に関する問題ともいわれていますが、いまのところ公式から詳細な説明はありません。
しかし、このエルメスに関する「名前問題」をネタとして扱ったガンダム作品があります。
『ガンダムビルドファイターズ』第16話で主人公のひとり「レイジ」がプラモショップを訪れた際に、本機のガンプラを発見します。箱を手に取りパッケージイラストを見て「えーと、ララァ・スン専用モビルアーマー……これがガンプラの名前か?」と困惑。すると、通りすがりのガンプラマニアを称する謎のおじさん(後にもうひとりの主人公「セイ」の父と判明)が、「それにはいろいろと事情があるんだ」といいます。
エルメスの名前問題については、この「いろいろと事情がある」というひと言に集約されているようです。ガンダムファンにとってはやはり「エルメス」という名前がなじみ深く、「ララァ・スン専用モビルアーマー」という表記にモヤモヤする人もいるでしょうが、そこは「大人の事情」と割り切るしかないのかもしれません。