「断ろうと思えば断れたはず」13歳少女を性的暴行し“オモチャ”も使用した鬼畜校長の言い訳に法廷でヤジ〈わいせつ校長・求刑10年〉

勤めていた中学校の複数の女子生徒に性的暴行を加えたとして準強姦致傷などの罪に問われた東京地裁の裁判員裁判で、検察側から懲役10年を求刑された東京都練馬区立中学の元校長、北村比左嘉被告(57)。12月3日に開かれたその論告求刑公判では、「同意があった」と主張する弁護側に、傍聴席から怒号交じりのヤジが飛び交う場面があった。
 

弁護側の主張「断ろうと思えば断れたが、断らずに自分の意志で行っている」

検察側は準強姦致傷の被害者Aさんについて、「被告人から最初に性的行為を受けたのは13歳、本件犯行当時は14歳で、性交も交際も経験はありませんでした」と指摘。

さらに学年主任や部活動の顧問である被告人が圧倒的上下関係を利用した執拗で悪質な犯行と断罪した。

一方、北村被告は「Aさんと交際し、同意があった認識だった」などと釈明。

これに対し検察側は「犯行時、Aさんは無表情で被告人と目も合わせていない。苦痛から苦悶の表情を浮かべて涙も流していた。不同意であることは明らか」とし、Aさんが性行為で負った全治1週間の外陰部粘膜障害の主原因が、電動マッサージ機を押し当てたことだったことを明らかにした。

検察側の論告中、女性裁判員は頭を抱え、眉間にシワをよせていた。

それでも弁護側は「Aさんは被告人に明確に拒絶したことも嫌だと言ったこともない」、「Aさんは『用事がある』など適当な嘘をついて準備室に行くのを断ったことが何度かあったと証言した。つまり、断ろうと思えば断れたが、断らずに自分の意志で行っている」などと弁明。

これを聞いていた傍聴席の高齢男性が「嘘ばっか言うなよ!」と怒声交じりのヤジを飛ばした。

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「相思相愛でなくても性行為は同意して受け入れるというケースもある」

しかし、被告代理人の鬼畜と言わざるを得ない弁護は延々と続く。

「Aさんは行為の際、キスに対しては明確に拒絶を示しているが、後に『一番痛かった』とした陰茎の挿入は拒絶しなかった。一番痛いはずの挿入を拒絶せず、キスには拒否反応を示していることから、Aさんが挿入を受け入れざるを得なかった心理状態にあったとは言えない」

「Aさんは卒業後も北村さんと会い、徒歩でラブホテルに行っている。本当に『行為を断れば学校生活に影響が出る』と思うのであれば、合理的ではない。もし卒業後も不安があったのなら、卒業後も北村さんとメールのやりとりをし、SNSのフレンド申請に応じるのは不自然と言えます」

「抵抗しようと思えばできるものの、あえて自分から行動を起こさなかったに過ぎない可能性を否定できません。相思相愛でなくても性行為は同意して受け入れるというケースもある」

この間、傍聴人から何度もヤジが飛んだ。ため息をつく傍聴人も続出し、法廷は異様な雰囲気に包まれた。

最後に北村被告は証言台に向かい、こう話していた。

「AさんBさんには、長年にわたる苦痛とこれからの人生の影響…本当にお詫びをしようもなく、申し訳なく思います。親御さん、家族の皆さんにも…信頼を裏切り、同様の苦しみを与えてしまいました。本当に…償いようのない大変なご迷惑で、お詫びの言葉も本当に見つかりません」

鼻をすすり、涙ながらに謝罪をした北村被告については、保釈中の今、妻が監督しているという。だが、本当に泣きたいのは一生の傷を負わされた被害者や家族たちだろう。判決は12月9日に言い渡される。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班