「連続30時間プレイ」「同一ソフト800本保有」達人に聞くRTAの魅力

ただクリアをめざすだけでなく、100分の1秒の世界でクリアタイムを競い合うRTA(リアルタイムアタック)というゲームの世界がある。eスポーツが注目される中、着実に人気を高めているRTAの魅力とは? 「SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団」や「メタルマックス」シリーズなどのRTAプレイヤー・げきから氏にRTAに込める思いを聞いた。

#1 0.01秒の戦い! ゲームクリアのスピードを競うRTA(リアルタイムアタック)とは

RTAプレイヤーにしてゲームコレクター

ゲームスタートからクリアまでの実時間を競い合うRTA(リアルタイムアタック)。過去のイベントでは最高同時接続者数18万人を記録するほどに注目を集めている。

げきからさんもその魅力に魅入られたRTAプレイヤーの一人。『SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団』のRTAの一つで国内トップクラスの記録を持ち、RTAへの熱意と作品への愛情から、同じソフトを800本以上も集めてしまったそうだ。注目を集める裏で、RTAプレイヤーはどのような努力を重ねているのだろうか。

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レベル上げ嫌いが転じてRTAプレイヤーへ

――RTAをはじめたきっかけは?

RTAに取り組み始めたのは就職後、26歳くらいのことです。とあるゲームのプレイ動画を見かけ、自分もゲームの配信をやってみたいと思ったことがきっかけでした。

昔から、とにかくサクサクとゲームを進めるのが好きだったんです。RPG(ロールプレイングゲーム)は敵をたくさん倒すことで自分のキャラも育っていくのですが、その作業に時間をかけたくなかったので、本来推奨されているレベルよりもずっと低い状態でゲームを進めることが何度もありました。

「レベルを上げない」「アイテムを取らない」「操作キャラクターを固定する」など、あえて行動を”制限する”遊び方がゲームにはあるのですが、取れる行動が限られてくるので突破が難しい局面も訪れるわけです。

その難所を試行錯誤を繰り返してなんとか攻略するのが、作品を違う側面から味わえるようで楽しいんですね。そういう自分に厳しい遊び方をしている延長として、RTAがありました。

――とくにSDヒーロー総決戦を選んだ理由は?

このゲームが好きだったというのが一番です。子どもの頃に友達とよく遊んでいて、非常に愛着があるゲームなんです。この作品はアニメや特撮の登場キャラクターを操作できるのですが、憧れのキャラクター達を実際に動かせるというのは、当時にしては斬新でした。

プレイ動画の配信を思い立った頃はRTA動画が豊富にアップロードされていて、自分もRTAに取り組んで動画にしようと思いました。そこで、せっかくなら一番好きなゲームでやろうと考えたんです。自分が配信することで、この作品の知名度がもっと上がって欲しいという思いもありました。なかなかマイナーな作品ですからね。