拳王の“想い人”はKENTAだった。
拳王はNOAHの元日・日本武道館大会に向けて「NOAHが似合う男」との一騎打ちを熱望。“想い人”と称された謎のレスラーとのシングルマッチが発表されていたが、対戦実現のため「俺は動くぞ」と予告していた。
そして行動派らしく意外な場所に現れた。6日の新日本・薩摩川内大会の第2試合後に乱入すると、マイクをつかむ。「おい、KENTA! いや、オレの想い人のKENTA! お前の故郷、プロレスリング・ノアも来年、25周年だ! お前に故郷を思う気持ちがあるのなら、2025年1月1日、日本武道館のリングに上がれ! そして俺と1vs1、シングルマッチをやれ」と明かしながらKENTAに対戦を迫った。
KENTAも「拳王、まず一言、こんなど田舎までよく来たよ!」と薩摩川内ファンを敵に回しながら称賛したうえで、「1月1日、日本武道館? 断る理由なんかねえよ、やってやるよ!」と二つ返事で受けて立った。
そのまましばし視察戦。さらにマイクを握った拳王は「1月1日、日本武道館! KENTA! 俺と戦うんだな!? お前がいないあいだに俺はメチャクチャ強くなったからな! 1月1日! KENTA! お前を完膚なきまでに倒してやるからな!」と宣言し、「そして今、田舎者の薩摩川内のクソヤローって言ったけど、それは少しすまないと思う。そして新日本プロレスのリングで、ノアの話をしたのも少〜し悪いと思ってる。少しだけ、すまないな!」と気遣いもみせて場内も歓声と拍手に染まった。
そのうえで「だが! 1月1日、日本武道館で、あのKENTAを倒したら、再び新日本のリングに上がり、アイツをまた倒しに殴り込みにくるのもおもしろいよな! 薩摩川内のクソヤローども! プロレスって、何があるか、わからないからメチャクチャおもしれえだろ! 最後にいいか! 薩摩川内のクソヤローども、これからももっともっとプロレスを楽しませるように、2025年1月1日、日本武道館でKENTAを倒す拳王………俺についてこい」と締めくくって姿を消した。
かくしてNOAHの元日・日本武道館大会での「拳王vsKENTA」一騎打ちが決定的に。もともと拳王は「KENTAの首」を狙ったのがNOAH参戦のスタートだった。両雄のシングルマッチは2014年3月のNOAH徳島大会以来。拳王デビュー6周年記念試合として組まれた対決で拳王は完敗を喫していた。それから止まったままだった二人の物語が、約11年の時を経て、思わぬ形で再び動き出した。