“おひとりさまOK”の文化を日本でも!ゴルフ場関係者へプロが物申す

生涯スポーツのゴルフの地位をもっと確立させるために“おひとりさまラウンド”ウェルカムの文化とゴルフ場を広げようじゃないか!

日本にも“おひとりさまOK”の文化を根づかせる
≫柔軟さがあり融通が利けばゴルフはもっと身近になる!

ハローエブリバディ!猛暑も去り、スポーツの秋に突入した。ゴルフ場は北から紅葉がはじまり、ベストスコアを叩き出すには最高の季節となってきた。なぜベストスコアが出やすい季節かって?日本特有の高麗芝は夏に比べ、秋には成長のスピードが落ち、冬に向かって冬枯れをおこす。そうなればラフは厳しくないし、フェアウェイでは打球が転がり距離を稼ぐことができる。また、グリーンまわりも夏場に蓄えた適度な芝があってアプローチもやさしくなり、グリーン上も朝晩の寒暖差で余計な湿気が抜け、スムーズな転がりを見せる。この時季にぜひ、ベストスコアを叩き出しに行こう。

仕事がひと段落ついたとき、急にスケジュールが空いたときは〝おひとりさまラウンド〞なら行ける!となることもあるだろうが、日本ではおひとりさまでのラウンドを許可しないゴルフ場がほとんどだ。

先日、日本シニアオープンのためにあけておいたスケジュールが、最終予選で落ちてしまいポッカリ空いてしまったタケは、急遽、家人と鹿児島へ旅に出た。しかし、趣味の違う夫婦は、妻は山登りへ、タケは芝刈り(ゴルフ)へと向かったが、そこで事件です!向かった先は、おひとりさまゴルフができないコースだったのだ。数年前の鹿児島訪問の際、県内で1番古いゴルフ場〝霧島ゴルフ倶楽部〞はおひとりさまラウンドが可能でプレーさせていただいた。今回訪れた2番目に古い〝南国カントリークラブ〞は、おひとりさまNGのコースで、当日「2サムか3サムのところに入れてもらえますか?」の電話問い合わせに「残念ですが……」の答え。歴史あるコースをラウンドできるチャンスは滅多にないタケは、鹿児島の知人に助けを求めて仲間を集め、無事ラウンドはできたのだが。

さて、今回の「俺にいわせろ!」は、コース側が決めるルール(今回の〝おひとりさま〞)に対してではなく「日本のゴルフ文化に〝おひとりさま文化〞を誕生させ、根づかせませんか?」という提案なのですよ。米国ゴルフ場所属時代、メンバーやゲストたちが空いた時間にひとりでラウンドする姿はまったく違和感なく、それもゴルフを楽しむひとつのスタイルだと思っていたし、ほとんどのコースではひとりでのラウンドを許可していた。もっとゴルフを身近なモノに、フレキシブルにすることで生涯スポーツとしての地位を確立できるのではないだろうか?

あのゴルフの聖地、セント・アンド・ルーズでも1組のスタート枠を確保することは至難の業だが、朝1番にスターターに〝おひとりさま〞で申し込めば抽選で3サムなど空きができたところに入れてくれ、聖地をラウンドすることが可能なのだから。全国のゴルフ場関係者のみなさん、ぜひ〝おひとりさまラウンド〞の推奨をお願いしたい。

タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。

イラスト=北沢夕芸