日本アカデミー賞をはじめとする数々の受賞歴があり、今やハリウッドの舞台でも活躍する俳優の渡辺謙さん。映画「GODZILLA ゴジラ」などさまざまな海外作品で英語のセリフを流暢に喋る姿が印象的だが、そこには彼の並々ならぬ努力が隠されていたようだ。
ハリウッド俳優として活躍する渡辺謙さん
(画像はイメージ)
●40代になって挑んだ新天地
渡辺さんが本格的な英語力を身につけるきっかけになったのが、2003年に出演した映画「ラスト サムライ」。それまで彼は日本のドラマ・映画における活躍がメインで、海を越えた先での活動は経験がなかった。
オファーを受けた渡辺さんは、最初は「うさんくさそう」と断ったという。しかし本作の主演を務めたトム・クルーズと実際に対面したことで本気度を実感。出演を決め、40代という年齢で英語学習にも挑戦することになった。
そこで渡辺さんが取り入れたのが、「ドラマメソッド」という勉強法だ。「ドラマメソッド」とは英語のセリフで劇を演じることを通じて、実用的な英語表現を学んでいく方法。彼の語学指導をおこなったキャスティングディレクターの奈良橋陽子さん曰く、当時は1日数時間つきっきりで英語劇を練習したという。渡辺さんの英語習得ペースは早く、本格的に勉強を初めてからなんと7~8カ月ほどで英語で冗談が言えるレベルにまで達してしまった。
困難を乗り越え、グローバルにキャリアを積んできた渡辺さん。2016年に受けた「とらばーゆ」のインタビューでは、長いキャリアの中で転んでも立ち上がれる秘訣を聞かれると「おもしろいからですよね」と即答した。さらに、年齢を重ねたことで「ツラさやしんどさを“おもしろさ”に転換させて、別のアングルから見るようにしておもしろがれるようになりました」とも語っている。
彼の努力についてネット上では、「流暢に英語を喋れるようになっているのは本当にすごい」「年齢関係なく、やろうと思えばかなりのレベルまで英語力が身につくことを証明してくれた」といった声が。芸歴40年以上のベテラン俳優となった渡辺さんが、今後もどのような活躍を見せてくれるのか期待したい。(フリーライター・河野秀樹)
■Profile
河野秀樹
芸能系の編集プロダクションから20代の頃に独立。現在はフリーライターとして、芸能中心にエンタメ記事を手掛けている。スクープからほっこりネタまで、幅広く執筆中。