「作品とキャストがぴったりハマった」
清廉潔白だと思っていた研究者の父の思わぬ秘密を知り、あおい、太郎、次郎の胸の中に渦巻くさまざまな感情。この騒動を通して3きょうだいは、父親だけでなく、すべてをわかり合えていると信じていたきょうだいが抱えている、自分が気づかずにいた思いも知ることになります。
そして、古い郵便物の中から見つかった1通の手紙が、ある真実を明らかにし、物語は思いもよらない結末を迎えます。
出典: FANY マガジン
小川は、3兄弟で唯一の女性であり、父の裏切りに対する怒りと嫌悪感、そしてほかの兄弟とは異なる父への思いが入り混じり、心を乱されるあおいを熱演。
演出の村上が「作品とキャストがぴったりハマった」と豪語したとおり、今林は家族の面倒ごとを押し付けられるお人よしの長男・太郎に、そして冨岡は、どこか地に足がついていない様子の次男・次郎のイメージにピッタリで、観客を作品の世界へと引き込んでいきます。
アサヌマは、3兄弟に降りかかった深刻な問題に“嫁”という立場でかかわり、ふだんのアサヌマとも重なるような、かすがの明るくユニークなキャラクターを好演。物語を明るく照らし続けます。
出典: FANY マガジン
さらに、自由奔放な3兄弟の叔母・恵子を演じる千葉、そして、生前の父がこだわって名付けたという、3兄弟の昔の飼い猫「チェリー・ホープ」や、思春期真っただ中の恵子の息子・拓也など多彩な6役・6変化に挑んだ小林が、物語を心地よくかき回していきます。
そして、メンバー最年少でありながら、物語のキーパーソンとなる難しい役どころに挑んだ加藤は、複雑な思いで伊達家を訪れるのぞみを、瑞々しくも確かな演技力で体現していました。
出典: FANY マガジン
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年齢差のある3人が本物のきょうだいに見えてくる
3兄弟を演じる、小川、今林、冨岡は、実際にはかなり年齢差がありますが、見ているうちに自然ときょうだいに見えてくるのが不思議なところ。舞台上には、以前、今林がインタビューで語っていた“実家感”がきちんと生まれていて、熟年団ならではの魅力あふれるステージに仕上がっています。
出典: FANY マガジン
物語と同じ12月に上演される「チェリー・ホープを知ってるかい。」は、12月8日(日)まで恵比寿・エコー劇場で上演中。役者たちの意見も存分に取り入れたという、ユニークな公演グッズも大充実しています。
伊達家に巻き起こった大みそかの騒動を見守りながら、笑ったり、考えさせられたり、ジンとしたり……。寒い季節に心をほっこりとあたために、ぜひ、足をお運びください。