・他のお菓子も美味
詰め合わせの中には他にも「九重本舗玉澤」の代表的なお菓子が入っている。
屋号にもなっている「九重」は明治天皇の仙台行幸に際して献上し、ひどく気に入られたという。
金平糖のような見た目の「九重」はお湯を注いでいただくお茶とお菓子の中間のような不思議なお菓子。
お湯を注いでしばらくすると、フワフワと九重が浮かんでくる。中に入っているのはあられで、上品な甘さと一緒にあられの香ばしさをいただく。
これまた霜ばしらと同じように食感や香りを楽しむような上品なお菓子。見た目も美しい風流さ。
さらに、この「九重」を使った葛湯も入っていたのだが個人的にはこれが大ヒット。
ほの甘くてもったりとした葛湯の中に浮かぶピンクや黄色のあられ、砂糖菓子のかわいいことよ! 体もあたたまる……。
そして、東北の銘菓である「杜のゆべし」も。実はこれまで「ゆべし」は特別好きなお菓子でもなかったのだけど、ゆべし感が変わるほど美味しかった。
カリッとしたくるみ、生地のむっちり感、ほどよい醤油の香りと塩気が絶妙。ゆべしってこんな美味しかったのか〜。
さらに、自分であんこを挟む「お手作りもなか」も、小豆が立ったあんと最中の皮の香ばしさがたまらない。
霜ばしら以外もこんなに美味しいなら詰め合わせを買って正解だったな。
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・東北の美学
九重本舗のお菓子は上品な甘さと香りや食感が特徴のようだった。あられや最中の皮の美味しさはさすが米どころ東北である。
私は九州出身なのだが、九州のお菓子はカステラのように卵と砂糖をたっぷり使ったガツンと甘みが強いものが多いのに対して、九重本舗玉澤のお菓子は甘みが上品で、それでいてどこか素朴さもある。
銘菓はその地方ごとの特色とか美味しさの美学が反映されているのかもしれない。食べながら、雪の降る仙台を思い浮かべる時間はとても贅沢だった。
「霜ばしら」の入手は難しいかもしれないけど、他のお菓子もとても美味しいのでぜひ食べてみてほしい。
ちなみに、Amazonや楽天で売られているものは転売商品で価格が倍以上になっているので、公式サイト以外で買わないようにご注意を。