・世界一のびたパスタ
この「水に1週間浸しときました」みたいなパスタは、ナポリタンの名店『パンチョ』の人も裸足で逃げ出すレベル。 “世界一のびたパスタ” と呼んでも過言じゃないかもしれない。
業界きってのアルデンテ好きとして知られる私が、このようなホニャホニャパスタを「めっちゃウマい」と感じるとは信じられない。ソースが甘くてひき肉ゴロゴロ。ズッキーニっぽいヤツもいい仕事している。ウマい。やたらウマい。
このよく分かんないジュースも……
オレオ風のビスケットも……
よく分かんない揚げ菓子も、とにかく全部おいしかった。今からめちゃくちゃ使い古された表現を使うけど、みんな私のこと語彙力のないライターだと思わないで聞いてほしい……「空腹は最高のスパイスである」。
(広告の後にも続きます)
・知られざる深夜の羽田
そんなこんなで羽田空港に到着。帰国の余韻に浸る間もなく、血眼で自分の手荷物を探す乗客一同。
が……「運が良ければ浜松町くらいまで電車で行けるかも」という願いも虚しく、終電はちょうど走り去った後だった。最高の便を選んだはずが最も避けたい時間に到着してしまう……旅ってレ・ミゼラブル。
日本人である私は「もう深夜バスしかない」ことに一瞬で気づき、猛スピードでチケット売り場へダッシュ。幸運にも “最後の1席” だったらしい新宿行きのチケットを購入することができた。不幸中の幸いである。
しかしながら、羽田空港の深夜のバスチケット購入(自販機のみ)があまりに難易度の高いミッションでビックリしてしまった。日本人の私ですら「分かりにくい」と感じたのだから、外国の方にはお手上げだと思う。
現に私は何人かの外国人の方から「バス乗り場はどこか」「チケットはどうやって買うのか」と尋ねられたし、数時間先のチケットしか買えず途方に暮れている家族連れなどを目にすると、日本人として「申し訳ない」って気持ちになった。
オーバーツーリズムやらで迎える側も大変だとは思うが、 “空港から市街地までの移動” という異国を訪れた人が最初に直面する試練を、もう少し手厚くサポートしてこそ真の “おもてなしの国” なのではないか、と僭越ながら感じた次第だ。
新宿からタクシーで自宅へ。せっかく高いチケットを買ったのに、プラス1万円もの出費を強いられるとは夢にも思わなんだ。とはいえ機内食がおいしかったから……まぁ勘弁してあげましょうかね。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.