TVアニメ『鬼滅の刃』の「無限城編」が劇場3部作で公開されることが発表され、今後の展開が注目されています。主要キャラたちの成長や、『無限城編』で回収される予定の伏線に向けて、映画公開前にどの場面をおさらいしておくべきなのでしょうか。



劇場版『鬼滅の刃 無限城編』のティザービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

【画像】え…っ? こんな豪華声優が? こちらが「無限城編」で明かされる「伊之助の大切な人」のキャストです(3枚)

『無限城編』を観る前に見ておくべきポイントって?

 2024年7月、『鬼滅の刃 無限城編』が劇場3部作で公開されることが発表され、多くのファンから「泣くこと間違いない」「公開はいつなの?」「映画での決戦が楽しみすぎる」など、さまざまな期待の声があがっています。最終章で数々の伏線が回収される場面の演出にも期待が集まるなか、改めてTVアニメシリーズをこれから見直そうと思っている人も多いことでしょう。

 たとえば最初の『竈門炭治郎 立志編』(2019年放送)を見直すことで、主要キャラたちがどれだけ成長したのかも再確認できて、『無限城編』での戦いをもっと楽しむことができるはずです。いくつか、気になる場面を振り返りましょう。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンのネタバレに関する記述があります。『鬼滅の刃』原作マンガを未読の方はご注意下さい。

 主人公「竈門炭次郎」の同期でイノシシに育てられた少年「嘴平伊之助」は、アニメが進むにつれて人間らしく成長し、『無限城編』では仲間想いの優しさと「柱稽古」で鍛えられた強さが爆発します。

 その伊之助はTVアニメ『立志編』の第15話「那田蜘蛛山」で、「炭治郎」や同じく同期で雷の呼吸を使う「我妻善逸」とともに傷ついた身体を癒すため、藤の花の家紋の家で休息をとります。

 その家には過去に鬼狩り(現在の鬼殺隊)に命を救われ、鬼殺隊であれば無償で尽くしてくれる一族が住んでいました。そこでおばあさんにお世話をされ、おいしいご飯を準備してもらった伊之助は人の温かさを知り、どんどん人間味が出てきます。伊之助の心が温かくなると出てくる「ほわほわ」という、伊之助ファンが大好きな描写が初めて描かれたシーンも登場しました。

 ほかに伊之助の気になる場面といえば、『立志編』第18話「偽物の絆」の那田蜘蛛山での「父蜘蛛」との戦いです。伊之助は父蜘蛛と決死の戦いを繰り広げた果てに、首根っこをつかまれて走馬灯を見ます。そこで、自分の名前を呼びながら「ごめんね」と泣く女性の記憶を思い出しました。「この女性は誰なのか」「伊之助はなぜ捨てられたのか」などの疑問が浮かぶシーンだったものの、以降アニメでは触れられていません。

『無限城編』ではこの女性の正体が判明し、原作ファンの涙を誘う場面となりました。久しぶりに18話を観返すと、この女性役の声優にも驚かされます。

 さらに初登場時から印象が変わった人物といえば、善逸も外せません。『柱稽古編』第7話では柱稽古に励んでいた善逸が雀の「チュン太郎」から手紙を受け取り、手紙を読んだあとに「これは絶対に俺がやらなきゃだめなんだ」と何かを決意していました。第7話を見て、臆病な性格である善逸のシリアスな表情に驚いた人も少なくないでしょう。

 善逸が受け取った手紙には、善逸の師匠であり元鳴柱の「桑島慈悟郎」に関する、重大な出来事が描かれていました。それに関連して、『立志編』第17話「ひとつのことを極め抜け」の善逸の回想シーンでは、「雷の呼吸」の型をひとつ(壱の型)しか使えずに泣いてばかりの善逸に対し、激しく罵倒して桃をぶつけた「兄弟子」が登場しています。

 彼も伊之助の回想に出てきた謎の女性同様、意外な豪華声優が起用されており、ファンの間でも『無限城編』での本格的な活躍に期待が高まっているようです。



心の強さを感じる炭治郎の姿が描かれたTVアニメ『鬼滅の刃』Blu-ray第8巻 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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無惨を倒すための呼吸法も登場していた

 アニメ『柱稽古編』の第8話「柱・結集」では、岩柱「悲鳴嶼行冥」が、鬼の始祖「鬼舞辻無惨」の首をを潰すも倒すことはできませんでした。「産屋敷耀哉」は、悲鳴嶼に無惨を倒す唯一の方法は太陽の光に当てることだと思うと伝えていました。

 柱や鬼殺隊が集結しても、再生力の高い無惨を太陽が昇るまで留めておくことは厳しいとされるなか、炭治郎が使う「ヒノカミ神楽」が鍵になります。

「ヒノカミ神楽」が最初に登場したのは、『立志編』第19話「ヒノカミ」です。下弦の伍である「累」との戦いに敗れそうになったとき、炭治郎は父「竈門炭十郎」がヒノカミ様へ捧げる舞の神楽を思い出し、舞い続けるための特別な呼吸法と舞の振り付けを元に「ヒノカミ神楽」を繰り出しました。

 ヒノカミ様へ捧げる神楽とは竈門家に代々伝わる舞で、怪我や災いが起きないように年初めの日没から翌朝の夜明けまで舞い続ける神楽です。

 この、日没から翌朝の夜明けまで舞い続けるという点が無惨討伐の重要なポイントで、なぜ竈門家に代々伝わる神楽から鬼を倒すための呼吸法が生まれたのか、その秘密が『無限城編』で明かされます。

『鬼滅の刃 無限城編』では、炭治郎をはじめ、主要キャラである伊之助や善逸などの成長した姿が期待されます。散りばめられた伏線も回収されるので、上述した場面をおさらいしつつ、劇場版の続報を待ちましょう。

 そして、2024年12月9日の午前3時から3時30分まで、アニプレックス公式YouTubeチャンネルで「鎹鴉(かすがいがらす)」からの『鬼滅の刃』に関するお知らせがあることも発表されました。このような遅い時間に重要な情報を流すのかは不明ですが、『無限城編』3部作に関する重大発表かもしれません。