「ガンダムぽいけどガンダムじゃない」「ガンダムだけどガンダムらしくない」…そのような機体がたくさんあるなか、ではどこからどこまでが「ガンダム」として扱われるのかを探ってみました、が……お察しください。



スタート地点はここ、それは確実。「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

【ガンダムとは…?】こちら「ガンダム」か否か判断が難しすぎるMSです(4枚)

「あれもこれもなんでもガンダム」とは言い切れないものの

「ガンダム」シリーズには、実に多くの「ガンダム」タイプとされるモビルスーツ(MS)が登場します。しかし、なかにはガンダムとは到底思えないようなガンダムや、逆にガンダム扱いであっても実質ガンダムではないものなども見られます。「なにをもってガンダムとされるのか」という一線は、どこで引かれているのでしょうか。

 宇宙世紀における「ガンダム」は、マンガ『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のなかで「目がふたつついててアンテナはえてりゃマスコミがみんなガンダムにしちまうのさ」と触れられているように、一年戦争で「アムロ・レイ」が駆り大戦果を挙げた「RX-78-2 ガンダム」から意匠を受け継いだ見た目をしています。

 ガンダムとして設計されながら、見た目は似つかぬ「百式」や「リック・ディアス」もありますが、いずれもガンダムの名を冠さずに実戦投入されていました。一方で、見た目はガンダムでありつつも「ジム」の系譜から生まれた「ガンダムTRー1 [ヘイズル改]」という機体もあり、作中での扱いはすっかりガンダムでした。

 宇宙世紀以外では、明確に「ガンダムの定義」が存在している世界もあります。『機動戦士ガンダム00』では、「太陽炉」と呼ばれる特殊な動力源を搭載した機体が「ガンダム」として扱われています。

 そうしたなか、太陽炉の技術を独占していた治安維持組織「ソレスタルビーイング」から、裏切り者が持ち出してモビルスーツ(MS)「GN-X(ジンクス)」を製造しました。ジンクスもオリジナルの簡易版といえる「疑似太陽炉」を搭載しているため、ソレスタルビーイングからはガンダムとして扱われます。

 その後継機「ジンクスIII」は、主力兵器として扱われるほどの普及を見せました。しかし、それ以前の戦いで「ガンダム」というものに対する世間の悪感情が高まっていたこともあってか、太陽炉を積んでいるにもかかわらずガンダムとしては扱われていません。

 同じように『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』も、見た目ではなく「『ガンダム・フレーム』と呼ばれる内部構造を骨格にしているMS」がガンダムと呼ばれます。そのため、手足が短く寸胴で、一見するとガンダムに見えない「ガンダム・グシオン」も登場しました。

「機動戦士ガンダムSEED」シリーズは、ガンダムの定義があいまいです。作中ではガンダム顔の機体でも「MS」と呼称するか、もしくは個別の名称を利用することが多く、めったにガンダムとは呼ばれません。初めてガンダムの名前が出たのは「ストライク」を起動したときで、主人公の「キラ・ヤマト」がOSに表示された文章の頭文字を縦読みした「G.U.N.D.A.M」でした。

 同種のOSを積んだ機体だと、「オーブ連合首長国」から技術協力を求められたキラが「M1アストレイ」のOSを回収しているシーンで、「G.U.N.D.A.M」の文字が確認できるため、こちらもガンダムという扱いになるはずです。それ以外の量産機でも頭文字がガンダムになるOSを積んでいる可能性もあり、機体の種別ではなくOSそのものだと考えるほうが無難でしょう。