この画像に映っているのは、「南天の回転花火銀河」とも呼ばれる棒渦巻銀河M83です。回転花火銀河(M101)に似ていることから、そのように呼ばれています。M83は、うみへび座の方向、約1200万光年の距離にあります。

画像は、南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されたダークエネルギー・カメラ(DECam)で撮影されました。DECamの高感度により、銀河の周囲のハローや、M83よりも奥にある多くの遠方銀河も見えています。

M83の直径は約5万光年で、天の川銀河の半分ほどのサイズしかありません。ただ天の川銀河と比べると星形成が非常に活発に起きています。M83での激しい星形成活動は、おそらくかつて起きた別の銀河との合体の結果だと見られています。

渦状腕には、新たな星が形成されつつあるピンク色の水素ガスの雲が多く見られます。それらのピンク色の領域付近には、高温で若い大質量星からなる星団が点在しています。

新たな星々が見られる一方、M83では過去100年間で6個の超新星が観測されました。さらに超新星残骸は数十万個もあると推定されています。

(参考)
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた南天の回転花火銀河M83
ハッブル望遠鏡がとらえた回転花火銀河M101

Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA
Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), D. de Martin (NSF NOIRLab) & M. Zamani (NSF NOIRLab)

(参照)NOIRLab