この図は、太陽系の惑星の軌道を示したものです。太陽のまわりには8つの惑星が公転しています。太陽に近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つです。上の図では、左が水星から火星まで、右が火星から海王星までの軌道が描かれています。
最も近い水星の太陽からの平均距離は約5790万9000kmです。ついで金星は約1億821万0000km、地球は約1億4959万8000km、火星は約2億2795万6000kmです。これら4つの惑星は「岩石惑星」と呼ばれます。
太陽から木星までの平均距離は約7億7847万9000km、土星は約14億3204万1000km、天王星は約28億6704万3000km、最果ての海王星までの距離は約45億1495万3000kmとなっています。なお木星と土星は「巨大ガス惑星」、天王星と海王星は「巨大氷惑星」と呼ばれます。
太陽系内での距離に言及する際、「天文単位(au)」という単位がよく使われます。天文単位は太陽と地球の間の平均距離をもとに決められた定数で、1天文単位は1億4959万7870.7kmと定義されています。約1億5000万kmと覚えておくと便利です。
太陽から各惑星までの平均距離を天文単位で表すと、水星は約0.39天文単位、金星は約0.72天文単位、地球は1天文単位、火星は約1.52天文単位、木星は約5.20天文単位、土星は約9.54天文単位、天王星は約19.19天文単位、海王星は約30.07天文単位となります。
なお天文学の距離の単位として「光年」がよく知られています。1光年は光(秒速約30万km)が1年間かけて進む距離で約9兆4600億km(正確には9兆4607億3047万2580.8km)です。太陽系内の距離をいうときには光年は値が小さくなりすぎるのでほとんど使われることはありませんが、参考のために以下の一覧表には載せておきました。たとえば太陽から地球までの距離を光年であらわすと約0.000016光年になります。最果ての海王星でも0.000477光年です。(参考)光は1秒、1分、1時間、1日、1年で何km進むのか
太陽から8惑星までの距離の一覧
水星 | 5790万9000 | 0.39 | 0.000006 | 3.2 | 193 |
金星 | 1億821万0000 | 0.72 | 0.000011 | 6 | 361 |
地球 | 1億4959万8000 | 1 | 0.000016 | 8.3 | 499 |
火星 | 2億2795万6000 | 1.52 | 0.000024 | 12.7 | 760 |
木星 | 7億7847万9000 | 5.20 | 0.000082 | 38.3 | 2297 |
土星 | 14億3204万1000 | 9.54 | 0.000151 | 79.6 | 4777 |
天王星 | 28億6704万3000 | 19.19 | 0.000303 | 159.4 | 9563 |
海王星 | 45億1495万3000 | 30.07 | 0.000477 | 251 | 15060 |
太陽から各惑星までの距離
ただここで示したのは太陽からの平均距離です。冒頭の図を見ると、惑星の公転軌道が同心円になっていないことがわかります。惑星の公転軌道は円ではなく楕円であるため、惑星は平均距離よりも太陽に近づいたり遠ざかったりします。太陽に最も近い点を「近日点」、太陽から最も遠い点を「遠日点」といいます。ちなみに地球は太陽から最も近いときで約1億4710万km、遠いときで約1億5210万kmになります。
なお地球から他の惑星までの距離は時期によってかなり変わります。時期によって、地球と他の惑星との位置関係が変わるためです。たとえば地球と火星の場合でみてみると、地球と火星が太陽をはさんで反対側に位置しているときは、太陽〜地球間の距離と太陽〜火星間の距離をプラスした値になります。一方で太陽に対して地球と火星が同じ方向で直線上に並んでいるときは、太陽〜火星間の距離から太陽〜地球間の距離をマイナスした値になります。
※太陽から各惑星までの距離については「Planetary Fact Sheet」を参照しました。
(参考記事)太陽系の惑星の大きさ比較、太陽系の惑星の質量比較、太陽系の各惑星の表面温度の比較
Image Credit: NASA/JPL-Caltech